見えなくても使えるPixelスマホ - TalkBackでの操作解説(Android 12編) 執筆者: 品川 博之 Email: voice-of-i@outlook.jp Twitter: @voice_of_i https://twitter.com/voice_of_i note: voice_of_i https://note.com/voice_of_i RSSフィード: https://note.com/voice_of_i/rss 製作完了日 2022年3月12日 項目の先頭にはそれぞれ以下の記号を付記しています。 文字検索などを利用しながら読み進めてください。 ■■ 大見出し ■ 小見出し ● ジェスチャー 目次の始まりには「はじまり」を、目次の終わりには「おわり」と記しています。 目次を読むのが面倒な人は、「目次 おわり」にジャンプして読み進めてください。 ----------- 目次 はじまり ---------------- ■■ まえがき ■■この説明書を気に入って下さった方へ ■■ Android端末を使い始める前に知っておきたいこと ■■ Google アカウントについて ■■チャプター1 ジェスチャーについて ■■チャプター2 Pixel 4aのボタンの位置と持ち方 ■■チャプター3 TalkBackをオンにしてみましょう ■3-1 サポートする人向け、TalkBack環境に戸惑わないために ■3-2 TalkBack環境でよく使うジェスチャー ■■チャプター4 画面の非表示と表示 ■■チャプター5 電源のオンとオフ、スクリーンロックについて ■5-1 電源を入れる ■5-2 画面ロックを解除してホーム画面を表示する ■5-3 スクリーンロックとロック解除の操作 ■5-4 電源をオフにするには ■5-5 アイテムを一つずつ順番に移動していくジェスチャー ■■チャプター6 ホーム画面 ■6-1 画面にタッチ ■6-2 アイテムを一つずつ順番に移動していくジェスチャー ■6-3 次のアイテム以降を連続読みさせるジェスチャー ■6-4 読み上げを一時停止するジェスチャー ■6-5 アプリやボタンなどのアイテムを実行するジェスチャー ■6-6 読み上げの単位や機能を変更する「読み上げコントロール」 ■6-7 文字を一つずつ読み上げさせるジェスチャー ■■チャプター7 ホーム画面の特徴 ■7-1 アプリリストを引き出すジェスチャー ■7-2 画面を横スクロールする、ページ移動のジェスチャー ■7-3 ホーム画面の0ページ目「Google Discover」 ■■チャプター8 設定アプリの中を覗いてみましょう ■8-1 画面を縦スクロールする、ページ移動のジェスチャー ■8-2 一つ前の画面に戻るジェスチャー ■■チャプター9 TalkBackジェスチャーのチュートリアルと練習モード ■9-1 チュートリアルを表示する ■9-2 練習モードに入る ■■チャプター10 Google アシスタント、音声アシスタントの利用について ■10-1 電源ボタンでGoogle アシスタントを呼び出す ■10-2 文字入力してリクエストを伝える ■■チャプター11 読み上げ操作をしていく上でのヒント ■■チャプター12 電話アプリの操作 ■12-1 電話番号を入力する ■12-2 電話に応答するジェスチャー ■12-3 通話を切断するジェスチャー ■12-4 着信音を消音にする ■12-5 通話中の操作 ■■チャプター13 文字入力 ■13-1 QWERTYキーボードのレイアウト ■13-1-1 半角英字のキーボード ■13-1-2 数字を入力するには ■13-1-3 キーボードの最上段に数字キーを配列する ■13-1-4 大文字を入力するには ■13-1-5 日本語ローマ字キーボード ■13-2 音声入力 ■13-3 日本語かなキーボード ■13-4 絵文字キーボード ■■チャプター14 文字の削除、テキスト編集 ■14-1 入力文字の削除や取り消しの操作 ■14-2 タッチジェスチャーと音量ボタンによるカーソルの移動 ■14-3 編集オプション ■14-4 テキスト編集関連のタッチジェスチャー ■14-5 文書の先頭と末尾へのカーソルの移動 ■14-6 編集ボックス内でテキストを範囲選択する ■■チャプター15 アプリスイッチャー、アプリの切り替え、分割表示 ■15-1 アプリスイッチャーの画面を表示する ■15-2 アプリを閉じる ■15-3 分割画面 ■15-3-1 アプリを分割表示させる ■15-3-2 分割画面を終了する ■15-4 アプリをジェスチャーで切り替える ■■チャプター16 通知シェードの画面を呼び出す ■■チャプター17 クイック設定を呼び出す ■17-1 画面を縦方向にロックする ■17-2 クイック設定で表示する機能を追加・削除する ■■チャプター18 ホーム画面のカスタマイズ、アプリの削除と移動、ウィジェットの追加 ■18-1 ホームのアイコンを利用してメニューを表示 ■18-1-1 アプリのリスト ■18-1-2 ホームの設定 ■18-1-3 ウィジェット ■18-1-4 壁紙とスタイル ■18-2 ホーム画面からアイコンを削除する ■18-3 ホーム画面のアイコンを移動する ■18-4 フォルダで管理する ■18-4-1 ホーム画面からフォルダの中身を表示する ■18-4-2 フォルダの削除、フォルダの外へアイコンを移動する ■■チャプター19 そのほかの便利なジェスチャー ■19-1 音楽やビデオを一時停止・再生するジェスチャー ■19-2 数値を変更するスライダーの操作 ■19-3 直前に読み上げた内容をクリップボードにコピーする ■19-4 下に引っ張って内容を更新する ■19-5 アイテムに名前をつける「カスタムラベル」 ■19-6 画面検索 ■19-7 音声コマンド ■19-8 項目の順序を並べ替える ■19-9 パススルー・システム・ジェスチャー ■19-10 ウインドウの切り替え ■■チャプター20 カメラを使ってみよう ■20-1 写真を撮影する操作 ■20-2 オートフォーカスと顔検出機能 ■20-3 スクリーンショットを撮影する ■20-4 写真に説明分を加える ■■チャプター21 レコーダーアプリで録音と文字起こし ■■チャプター22 アプリをダウンロードするアプリ「Play ストア」 ■■チャプター23 セキュリティのために指紋認証やピンを利用する ■23-1 指紋による認証 ■■チャプター24 PCとUSB接続してファイルを転送する ■■チャプター25 Pixel本体の強制再起動とセーフモードについて ■25-1 強制再起動の方法 ■25-2 セーフモードの起動方法 ■■チャプター26 本体を出荷時の状態にリセットする ■■付録1 Android OSのアクセシビリティ機能について ■■付録2 TalkBackの設定メニュー ■付録2-1 テキスト読み上げの設定 ■付録2-1-1 設定メニュー ■付録2-1-2 声の種類を変更する ■付録2-2 読み上げの詳細設定 ■付録2-3 ジェスチャーをカスタマイズ ■付録2-3-1 デフォルトで割り当てられている機能 ■付録2-3-2 割り当て可能な機能 ■付録2-4 メニューをカスタマイズ」 ■付録2-4-1 TalkBackメニュー ■付録2-4-2 読み上げコントロール ■付録2-5 点字キーボードで入力 ■付録2-6 詳細設定 ■付録2-6-1 キーボードショートカット ■■付録3 TalkBacke以外の視覚支援機能 ■■付録4 ユーザー補助機能メニュー ■■付録5 日本語環境のAndroidスマートフォンを輝かせるドキュメントトーカ ■■ あとがき ---------- 目次 おわり ----------- ______________________________________ ■■ まえがき  ここではAndroidスマートフォンとしてPixel 6を用いて、TalkBack(トークバック)をオンにした状態での操作説明をします。使用しているOSのバージョンはAndroid 12、2022年2月現在で最新となります。製品の種類やモデルの違いによって仕様が異なるため、ここに挙げた操作や機能が利用できない場合もあります。  また、あくまでもTalkBackのジェスチャーの使い方や利用シーンをテーマに説明していますので、Pixelの設定方法や機能についてはユーザガイドなどを参照してください。 Pixel Phone ヘルプ https://support.google.com/pixelphone/?hl=ja#topic=7078250  この説明書のテキストデータはダウンロードできるようになっています。 情報機器関連資料 - 日本ライトハウス情報文化センター http://www.lighthouse.or.jp/iccb/publications/index_publications/jyohokiki/  また、ブログでも公開しています。 見えなくても使えるPixelスマホ - TalkBackでの操作解説(Android 12編) https://voicei-gestures.seesaa.net/article/484369098.html ______________________________________ ■■この説明書を気に入って下さった方へ  この説明書は視覚障害を持つ筆者がまとめたものですが、TalkBack環境のPixel 4aを使い始めた当時、具体的で頭に入りやすいマニュアルを見つけることができなかったので、自分の備忘録のためにも書き上げたものです。どうぞ文字検索や見出しジャンプをして、効率よく読んでいってください。 チャプター1からチャプター12までの内容を読み終えれば、基本的な操作はできるようになると思います。  この説明書が視覚障害ユーザはもちろんのこと、TalkBackを使ってみたいという人たちにとって参考になればうれしいです。  家族や友人に視覚障害を持つ人がいて、もしその人がAndroidスマートフォンなんて使えないものだと思い込んでいたら、こんな方法で使えるみたいだよと、ぜひお伝えしてみてください。  また、携帯電話ショップや量販店の販売員の方にはTalkBackについての問い合わせがあったときに対応できるよう役立てていただけると幸いです。  ところで、筆者は以下の視覚障害者の関連グループの活動を応援しています。運営費の多くは寄付金や関連団体からの資金でまかなわれています。しかし、必死のパッチで運営されている状況のようです。  この説明書が役に立ったと感じて下さって、もし貴方が経済的に余裕があれば、応援していただけるとありがたいです。 社会福祉法人 日本ライトハウス - 視覚障害者向けに点字図書館、ICT講習、職業・生活訓練などを実施しています。 ご寄附のお願い:日本ライトハウス http://www.lighthouse.or.jp/donation.html 視覚障害者のためのパソコン教室 スラッシュ - 誰にでもわかりやすくをモットーにパソコン・スマートホン・タブレット・その他関連機器を教えておられます。 スラッシュの運営にご支援のお願い http://www4.point.ne.jp/slash/onegai.html サピエ - 視覚障害者を含め、読みに困難のある人向けの電子図書館。 全視情協:全視情協とは - ご寄付のお願い http://www.naiiv.net/about/?20160221 ______________________________________ ■■ Android端末を使い始める前に知っておきたいこと  Android OSはGoogle社が開発しているモバイル端末向けのOSですが、このOSを採用しているスマートフォンやタブレットはGoogle社だけでなく多くの企業から発売されています。音質の優れた製品、カメラ機能に特化した製品など、ユーザは自分の好みに合わせた端末選びができます。ただし、同じAndroid OSが使われていてもホーム画面の種類や設定メニューの内容は異なります。  TalkBackはAndroid OSのアクセシビリティ機能の一つですが、すべてのAndroid端末に最初からインストールされているとは限りません。そして、スクリーンリーダーで読み上げてくれる声、TTS(テキスト・トゥ・スピーチ)のテキスト読み上げデータについては、日本語の声はプリインストールされていないものが多そうです。  2021年10月28日にGoogleストアから発売されたPixel 6では日本語TTSがプリインストールされています。ただし、携帯電話会社から発売されているPixel 6には日本語TTSがプリインストールされているかどうかは未確認です。  Pixel 4aの場合、TalkBackと英語TTSはプリインストールされていますが、日本語TTSは入っていません。Googleストアで販売されているモデルを初期設定しようとすると、最初に表示される画面は英語なので、TalkBackを起動し、英語の音声を聞きながらであれば画面の見えないユーザも自力でセットアップ作業はできます。しかし、日本の携帯電話会社から発売されているモデルは最初の画面が日本語なので、TalkBackをオンにしても何も読み上げてくれない状態になってしまいます。そういった場合は言語を英語に切り替えることで、英語の声を聞きながらセットアップ作業を進めていくことは可能になります。英語環境で初期設定を完了してインターネットに接続できるようになれば、日本語TTSのデータは自動的にダウンロードされてくるので、システム言語を日本語に切り替えると日本語の声で読み上げされるようになります。  ということで、Android端末を手に入れた後の初期設定については、視力のある人のサポートを受けた方が安心であると言えます。  2021年春にはTalkBackのバージョン9.1がリリースされ、マルチフィンガー(複数指)ジェスチャーを使えるようになりました。2022年2月の時点では、PixelやGalaxyなどの一部の端末でのみで利用できます。もしマルチフィンガー・ジェスチャーを使いたいという希望のあるユーザは、端末選びが制限されてしまうことになります。  また、一部のメーカーの製品や格安モデルでは、従来のTalkBackジェスチャーでさえうまく認識されないものがあるようです。  もしTalkBackやGoogleのTTSがインストールされていない端末を使う場合には、Play Storeからそれぞれのアプリをダウンロードできます。 Android ユーザー補助設定ツール - Google Play のアプリ (TalkBackはこの機能の一つ) https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.marvin.talkback&hl=ja&gl=US Speech Services by Google - Google Play のアプリ (Google TTS) https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.tts ______________________________________ ■■ Google アカウントについて  Androidスマートフォンを便利に活用するためにはGoogle アカウントでサインインする必要があります。サインインしていなければPlay Storeからアプリをダウンロードすることはできません。  すでにアカウントを持っていれば、初期設定の途中または設定完了後にサインインできます。  Google アカウントを新規作成するには、 ・初期設定の途中のスマートフォン上で ・設定終了後のスマートフォン上で ・ウェブサイトで作成 などの方法があります。  ウェブサイトで作成する場合は次のURLにアクセスします。 Google アカウントの作成 https://accounts.google.com/signup/v2/webcreateaccount?flowName=GlifWebSignIn&flowEntry=SignUp  画像認証はありません。ただし、認証コードを受け取るために電話番号を入力する必要があります。認証コードはSMSか自動音声通話で通知されます。 ______________________________________ ■■チャプター1 ジェスチャーについて  指で操作する方法をジェスチャーと呼びます。TalkBackでは1本から4本の指を利用し、画面に触れたり、たたいたり、滑らせたりして目的の操作を実行します。指の腹でやさしくタッチします。また、複数の指を使うときは指と指の間に少し隙間を作ります。そうすることで指の本数を認識してくれやすくなります。力加減は極弱い力で、自分の顔をタッピングするような程度で認識してくれます。  ジェスチャーを覚える上でのキーワードを上げておきます。 ・タッチ: 画面に触れること。 ・タップ: 画面をたたくこと。1回だけたたくことをシングルタップ。素早く2回たたくことをダブルタップ、素早く3回たたくことをトリプルタップと呼びます。 ・スワイプ: 画面につけた指を指定の方向に少しスーッと滑らせてから指を離します。ほうきでホコリを祓うようなしぐさです。 ・フリック: スワイプと似たような動きですが、指定の方向に勢いよく指を動かすような、ひっかくような動きです。ホコリをはじき飛ばすようなしぐさです。 ・ホールド: 画面にタッチしたらその場所で指を置いたままにしておきます。長押しとも表現されます。 ・スライド: 画面に触れたままにしている指を滑らせること。 ・ドラッグ: アイテムを移動させるときなどに利用します。まずアイテムを指で押さえて、そのまま移動したい場所に指を滑らせてから離します。 ・直角ジェスチャー: アルファベットのLを描くような動きをします。1本指で上から下に指を滑らせて、画面に着けたままの指を、そのまま右側に滑らせてから指を離します。8種類存在します。 ・往復ジェスチャー: 滑らせた指を元の位置に戻す動きをします。たとえば、右方向に滑らせて、画面に着けたままの指を、出発点である左方向に滑らせてから指を離します。4種類存在します。  鍼灸師の人はこんな風にイメージしてみてください。 タップとは鍼治療で切皮をするようなしぐさ、タッチやスライドはツボを探すときのような力加減です。自分の掌をタッチパネルだと思い、気持よい程度の力で練習してみてください。  また、PixelにはTalkBackのタッチジェスチャーを練習するメニューが用意されています。 後述の 『■■チャプター9 TalkBackのジェスチャーの操作練習』 で紹介しています。 (注意) スワイプとフリックのジェスチャーについて、 TalkBackのジェスチャーの中でも多用される指の動きです。似たような指の動きになりますが、実行できる内容は同じです。  スワイプはほうきで掃くようなやや大きめの指の動きになり、フリックは勢いよくはじくような小さな指の動きになります。フリックでは、画面に接している時間は一瞬です。 公式のガイドではスワイプという表現が用いられていますが、フリックのような動きでなければうまく反応しない場面もあります。 ______________________________________ ■■チャプター2 Pixel本体のボタンの位置と持ち方  Googleが開発販売しているAndroidスマートフォンであるPixelは2016年に登場しました。その後は毎年発売されていますが、機能だけでなく画面サイズも異なります。Pixel 4aは2020年8月に日本で発売になったモデルです。Pixel 6は2021年10月に発売されました。どちらもボタンの位置は同じです。 Google Pixel 4a のハードウェア仕様 - Google ストア https://store.google.com/jp/product/pixel_4a_specs?hl=ja Google Pixel 6 スペック・仕様 - Google ストア https://store.google.com/jp/product/pixel_6_specs?hl=ja  Pixel 4aの画面サイズは5.7インチなので、手のひらで握りやすい軽量のモデルになっています。Pixel 6は6.4インチの画面サイズで重さは207グラムということもあり、やや大きく感じられます。  本体には二つのボタンが付いています。 「下側面」 中央にUSB-Cコネクタがあり、充電ケーブルをつなぎます。 この部を下にして本体を縦に持ちます。  Pixel 6にはイヤホンジャックがないので、イヤホンはUSB-Cコネクタにつなぐようになっています。 イヤホンをつなげます。 「右側面」 二つのボタンがあり、上は電源ボタン。下の縦長ボタンは音量ボタンですが、上端は音量アップ、下端は音量ダウンとなっています。 「上側面」 Pixel 4aでは、左側には3.5mmのイヤホンマイクのジャックがあります。 「左側面」 SIMカード(nanoSIM)を装着するためのスロットが配置されています。側面を指でなでると、下近くに小さな穴を見つけることができます。トレイを取り出すには付属のピンやペーパークリップ、ゼムクリップのような先端の細いものを差し込みます。 「表面」 すべてがタッチスクリーンになっています。画面の上側には受話口とフロントカメラがあります。 「背面」 Pixel 4aでは、背面かめらは右上、指紋センサーが左側に位置しています。 Pixel 6ではカメラがあるだけで、指紋センサーは表面のディスプレイ下部です。  通常の持ち方はディスプレイを正面に向けてUSB-Cコネクタが下にくるように縦に持ちます。Pixelでは画面を縦向きと横向きのどちらでも表示させることができます。アプリによっては縦向きか横向きに固定される場合もありますが、多くのアプリでは本体を横向きにすれば自動的に横表示に切り替わります。最初のうちは縦にして使い慣れるとよいでしょう。 ______________________________________ ■■チャプター3 TalkBackをオンにしてみましょう  音声読み上げを開始するにはいくつかの方法が用意されています。初めてTalkBackをオンにするとチュートリアル、使い方の説明が表示されます。チュートリアルの画面は次へボタンをタップして読み進めてもよいですし、「閉じる」ボタンでスキップすることもできます。 1. 設定アプリを開いてオンにする 初期設定を完了している必要があります。  設定アプリを開きます。さらに「ユーザー補助」→「TalkBack」と進んで行きます。 「ショートカットの設定」の切り替えボタンをオンにします。 これにより、音量アップと音量ダウンの二つのボタンを一緒に長押しすると、TalkBackのオンとオフの切り替えができます。音量ボタン二つの同時長押し()3秒(がショートカットとして働くわけです。初めてTalkBackをオンにすると、もう一度音量ボタンの長押しでTalkBackをオンにするように案内されるかもしれません。  ショートカットがうまく機能しなければ、 「TalkBack を使用」の切り替えボタンをオンにします。 2. GoogleアシスタントによるTalkBackのオンとオフ 初期設定を完了している必要があります。  ネットワークに接続していて、Googleアシスタントが利用可能であれば、 「オーケー グーグル トークバック オン」 「オーケー グーグル トークバック オフ」 と声でリクエストすることで、TalkBackのオンとオフの切り替えができます。 3. 電源を入れた直後に二つの音量ボタンを一緒に長押し 新品の端末を開封して電源を入れた直後、この時点で音量アップと音量ダウンの二つのボタンを一緒に長押しすると、チャイム音とともにTalkBackがオンになります。これはPixelを初期化した直後にも有効です。初めてTalkBackをオンにすると、もう一度音量ボタンの長押しでTalkBackをオンにするように案内されるかもしれません。 (注意) ただし、Pixelのモデルによっては英語の声による読み上げか、あるいは無音になってしまうかもしれません。これは日本語の音声データがプリインストールされていないことによるものです。  また、初期設定後に表示言語が日本語になっていると、英語の音声では読み上げできないので、TalkBackは動作していても無音になってしまいます。ネットワークに接続すると日本語の音声データをダウンロードすることができます。 ______________________________________ ■3-1 サポートする人向け、TalkBack環境に戸惑わないために  TalkBackがオンの環境では、特有のタッチジェスチャーが利用できるようになります。標準ジェスチャーとは異なる操作法になるため、それまで標準ジェスチャーに慣れ親しんでいる人にとっては「使えなくなった!」と感じてしまうかもしれません。まずは次の五つのことを頭に入れておいてください。 1. TalkBackが読み上げる箇所には緑色の枠が表示されます。この説明書では「操作フォーカス」と呼ぶことにします。 2. 画面をタッチしたりなぞると、指の下にあるアイコンを読み上げます。操作フォーカスのある箇所が読み上げられます。 3. 標準ジェスチャーでは、画面上のアプリのアイコンをタップすると、そのアプリが開いたりボタンを押すことができます。TalkBack環境では、まずそのアイコンを読み上げさせる、つまり操作フォーカスを移動します。つづいて、1本指でダブルタップします。 4. アイテムを長押しするジェスチャーは、ロングタップやホールドなどとも表現されます。標準では1本指でタッチしたままにしておきます。TalkBack環境では、1本指でダブルタップして、2回目のタップでは指を画面に着けたままにしておきます。1本指のダブルタップ&ホールドと表現します。 5. 1本指のスワイプは2本指で行います。画面スクロールやロック解除など。 ______________________________________ ■3-2 TalkBack環境でよく使うジェスチャー  TalkBack特有のジェスチャーについてはこの後のチャプターで説明しますが、頻繁に使うジェスチャーを紹介しておきます。 標準ジェスチャーの1本指のスワイプが2本指に置き換わるジェスチャー ・画面ロックを解除するジェスチャー: 標準では画面の下端から「1本指で上スワイプ」 ・通知を開くジェスチャー: 標準では画面の上端から「1本指の下スワイプ」 ・クイック設定を開くジェスチャー: 通知が表示されている画面で、標準では「1本指の下スワイプ」 ・ホームを開くジェスチャー: 標準では画面の下端から「1本指で上スワイプ」 ・アプリリスト、アプリドロワーを開くジェスチャー: ホーム画面で、標準では画面の下端から「1本指の上スワイプ」 ・戻るジェスチャー: 標準では「画面の左端あるいは右端から中央にスワイプ」 ・最近のアプリ一覧を開くジェスチャー: 標準では画面の下端から「1本指の上スワイプ&ホールド」 ・Googleアシスタントを呼び出すジェスチャー: 標準では画面の右下あるいは左下から「1本指で上スワイプ」 以下はTalkBack特有のジェスチャーです。 「ホーム画面を開く」 1本指の直角ジェスチャー 上へ左へ 「戻る」 1本指の直角ジェスチャー 下へ左へ 「TalkBackメニューを開く」 1本指の直角ジェスチャー 下へ右へ 3本指のシングルタップ(マルチフィンガー・ジェスチャー) ______________________________________ ■■チャプター4 画面の非表示と表示  TalkBackをオンにした状態では、画面の表示をオフにしたりオンにするという切り替えができます。画面を非表示にすると他人から画面をのぞき見されることはなくなります。  もし意図せずに画面を非表示にしてしまうと、画面を見ながら操作しているユーザにとって何の操作もできない状態になってしまいます。また、ジェスチャーに慣れていない視覚障害ユーザが見えている人に画面操作を頼む時に困ってしまうことになりかねません。  そこで画面表示の切り替え方法は、まず初めに覚えた方がよいでしょう。TalkBackメニューを呼び出して操作します。メニューの中から、 「画面を表示」の箇所を1本指でダブルタップすると、画面表示がオンになります。 「画面を非表示」の箇所を1本指でダブルタップすると、画面表示がオフになります。  TalkBackメニューを呼び出すジェスチャーは、使う機会が多いので、まず最初に覚えておきたいジェスチャーです。 1. ●「3本指のシングルタップ」 3本の指で画面をトンと1回たたきます。 (マルチフィンガー・ジェスチャー) 2. ●「直角ジェスチャー 下へ右へ」 1本指で下に向けて指を滑らせて、画面に着けたままの指を右へスワイプします。アルファベットのLを描くような動きです。 デフォルトでは同じ機能に割り当てられているジェスチャーがもう一つあります。 ●「直角ジェスチャー 上へ右へ」 1本指で上に向けて指を滑らせて、画面に着けたままの指を右へスワイプします。 ______________________________________ ■■チャプター5 電源のオンとオフ、スクリーンロックについて  では、実際にPixelをTalkBackで操作していきましょう。すでにTalkBackがオンになっていて、端末の初期設定が完了しているという前提で説明を進めていきます。 ______________________________________ ■5-1 電源を入れる  電源ボタンを3秒ほど長押しします。20秒ほどすると電源がオンになり、ロック画面かホーム画面が現れます。  電源がオンになると、振動によるフィードバックがあり、TalkBackの読み上げ音声を確認できます。 ______________________________________ ■5-2 画面ロックを解除してホーム画面を表示する  Pixelを使用するには画面のロックを解除して、ホーム画面を表示させる必要があります。設定によっては、ロック解除の操作は必要とせず、いきなりホーム画面を表示させたり、セキュリティを高めるためにピンやパスワード入力の画面を表示することもできます。  以下の二つの操作をする前に、画面を1本指でタッチしたり指を滑らせたりして、TalkBackの読み上げがあることを確認してください。読み上げがなければ、電源ボタンを1回クリックして、音声読み上げを確認してから操作します。 1. ●「2本指で上スワイプ」 2本の指を上に向けてスーット滑らせます。箒で掃くようなしぐさです。2本指の上スワイプは画面の下端から行なってみると認識されやすいかもしれません。  TalkBackがオフの環境では1本指で上スワイプです。 2. ロック解除ボタンをタップする。 画面上には「ロック解除」ボタンが表示されています。そのボタンの読み上げを確認したら、指を画面から離します。1本の指でダブルタップします。 ●「1本指のダブルタップ」 1本の指で素早く画面をトン・トンと2回たたきます。画面のどこで行なってもかまいません。このジェスチャーでボタンを押す、実行することができるわけです。  TalkBackがオフの時の標準ジェスチャーは、1本指のシングルタップです。 ______________________________________ ■5-3 スクリーンロックとロック解除の操作  Pixelの操作をしないときは、画面にタッチしても何の反応も起こさせないようにスクリーンロック(画面ロック)をかけておくことができます。スクリーンロックがかかっている状態をスリープと言います。  電源ボタンを1回クリックすればこのモードに入ります。バッテリーを長持ちさせることにつながります。また、ポケットの中のPixelの誤動作を防げます。  スリープモードになっていても電話の着信やメールの受信時には通知してくれます。  スリープモードを解除するには次の手順が利用できます。 1. 電源ボタンをクリックします。 2. 画面を1本指でタップします。 (設定メニューでオン・オフできます) 3. 本体を手前に傾けます。 机の上など、画面を上にして置いてある状態から、本体の上部を持ち上げて傾斜させます。 (設定メニューでオン・オフできます)  初期状態のPixelは何も操作をしないと短い間で自動的にスリープ状態に入ります。この時間を長くしたりスリープ状態に自動的に入らないように設定変更することは可能です。  設定アプリを開いて、「ディスプレイ」と進み、「画面消灯」の中で変更できます。  上記の2.と3.については、設定アプリを開いて、「ディスプレイ」→「ロック画面」と進み、 「スマートフォンをタップしてチェック」 「スマートフォンを持ち上げて通知を確認」 それぞれの切り替えボタンをオンにする必要があります。 ______________________________________ ■5-4 電源をオフにするには  Pixel 4aでは、電源ボタンを長押しします。Pixel 6では、電源ボタンと音量アップボタンを同時に1回クリックします。すると、画面の上部にメニューが表示されます。 ・緊急通報 ・ロックダウン ・電源を切る ・再起動  指を滑らせて「電源を切る」の箇所をを見つけて、指を画面から離します。1本指でダブルタップすれば電源はオフになります。 (注意) Pixel 6では電源ボタンの長押しでGoogle アシスタントが軌道するようになっています。Pixel 4aであっても、電源ボタンの長押しをGoogle アシスタント呼び出しの操作に割り当て変更した場合は、音量アップと電源ボタンを同時に1回クリックで電源オプションが表示されます。  もしうまく「電源を切る」の箇所を見つけられなければ、次に紹介するジェスチャーを試してみてください。 ______________________________________ ■5-5 アイテムを一つずつ順番に移動していくジェスチャー  画面をタッチしたまま指をスライドしていく操作だけでは目的のアイテムを見つけるのに手間がかかります。そこでアイテムを一つずつ移動するジェスチャーは便利です。 ●「1本指の右スワイプまたは左スワイプ」 1本の指を画面につけてスーット滑らせてから指を離します。箒で掃くようなしぐさです。丁寧に指を動かすよりも、荒っぽく箒を動かすようにする方が認識してくれやすいです。  右スワイプは画面の左から右に向かって指を動かします。画面のどこで行なってもかまいません。右スワイプすると、現在位置の右隣、もしくは次に配置されているアイテム名が読み上げられます。操作フォーカスが移動する方向は左から右に向かって、右端までくると次の行の左端に移ります。そうして下に向かって移動していきます。  逆方向に移動したいときは左方向に指を動かします。これを左スワイプと呼びます。 (注意) ホーム画面では上記の説明のように隣のボタンに移動しますが、アプリによってはそのレイアウトの関係で、必ずしも隣のボタンに移動するというわけではありません。 ______________________________________ ■■チャプター6 ホーム画面 Pixelを操作する起点となる画面をホーム画面と言います。ウィジェットやアプリのショートカットなどが表示されています。Android OSでは、ランチャーと呼ばれるホームアプリがいくつもリリースされていますが、そのアプリによってホーム画面の表示や使い方が異なります。  ここでは、Pixelに標準インストールされているPixel Luncherについて紹介します。 Pixel Launcher - Google Play のアプリ https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.apps.nexuslauncher&hl=ja&gl=US  ホーム画面はジェスチャーでいつでも開くことができます。 ●「直角ジェスチャー 上へ左へ」 1本指で上に向けて指を滑らせて、画面に着けたままの指を左へスワイプします。  TalkBackがオフの環境では、画面の下端から1本指で上スワイプです。ただし、画面の下部にホームボタンが表示されている場合は、ジェスチャーは利用できないので、ボタンをタップすることになります。  画面の最下行はナビゲーションバーと呼ばれていますが、ここにホームボタンを含めたボタンを表示するかどうかは設定アプリでカスタマイズできます。  設定アプリを開いて、「システム」→「ジェスチャー」→「システム ナビゲーション」と進み、「3 ボタン ナビゲーション」をオンにします。これにより「戻る」ボタン、「ホーム」ボタン、「最近のアプリ」ボタンを表示させることができます。  「ジェスチャー ナビゲーション」がオンになっていれば、3ボタンは表示されず、TalkBackがオフの環境でもジェスチャーでホーム画面を開くことができます。 ______________________________________ ■6-1 画面にタッチ  では、実際に画面をタッチしてみてどんなアイテム(アイコン)が並んでいるのかを読み上げさせてみましょう。 ●「1本指でタッチ」 とりあえず1本の指を画面の下部に当ててみてください。指が当たっている部分にアイテムがあればその名前が読み上げられます。指を画面につけたまま縦横無尽に画面の隅々まで滑らせていって確認してみましょう。  読み上げられている部分には緑色の枠が表示されるので、視覚的に確認することができます。この枠を、この説明書では「操作フォーカス」と表現します。 ______________________________________ ■6-2 アイテムを一つずつ順番に移動していくジェスチャー  すでに紹介したジェスチャーですが、ここでも紹介しておきます。  画面をタッチしたまま指をスライドしていく操作だけでは目的のアイテムを見つけるのに手間がかかります。そこでアイテムを一つずつ移動するジェスチャーは便利です。 ●「1本指の右スワイプまたは左スワイプ」 1本の指を画面につけてスーット滑らせてから指を離します。箒で掃くようなしぐさです。画面のどこで行なってもかまいません。  右スワイプは画面の左から右に向かって指を動かします。右スワイプすると、現在位置の右隣、もしくは次に配置されているアイテム名が読み上げられます。操作フォーカスが移動する方向は左から右に向かって、右端までくると次の行の左端に移ります。そうして下に向かって移動していきます。  操作フォーカスが画面内の最後のアイテムに到達すると、次に移動するのは画面内の最初のアイテムです。一つの画面の中をグルグルと回るわけです。もしも次の画面が存在する場合は、画面の最後のアイテムから右スワイプすると、自動的に次の画面の先頭のアイテムに移動します。  逆方向に移動したいときは左方向に指を動かします。これを左スワイプと呼びます。 (注意) アプリによってはそのレイアウトの関係で、必ずしも隣のボタンに移動するというわけではありません。 ______________________________________ ■6-3 次のアイテム以降を連続読みさせるジェスチャー ●「2本指のトリプルタップ」 (マルチフィンガー・ジェスチャー) 2本指で画面をトン・トン・トンと3回すばやくたたきます。画面のどこで行なってもかまいません。操作フォーカスの次のアイテムから連続読みしてくれます。  連続読みしている途中で1本指の右スワイプや左スワイプをすると、アイテムをスキップしながら読み上げは続きます。他のジェスチャーの場合は、読み上げは停止します。  この操作は、メール本文やウェブページなど、長文を読ませるのに活躍します。  この機能はTalkBackメニュを開いて実行することもできます。 ______________________________________ ■6-4 読み上げを一時停止するジェスチャー  連続読みさせているときや読み上げ音声を最後まで聴きたくないとき、ジェスチャーで停止させることができます。 1. ●「2本指のシングルタップ」 (マルチフィンガー・ジェスチャー) 2本の指で画面を1回トンとたたきます。画面のどこで行なってもかまいません。読み上げ中の音声が一時停止します。 2. ●「近接センサーを手で覆う」 近接センサーの部分を手で覆うと、TalkBackの読み上げ音声は停止します。画面に触れるのではなく、上から手をかざします。近接センサーは画面の上部に搭載されています。  この機能はオン・オフ切り替えできます。TalkBackメニューを開き、「TalkBackの設定」の箇所を1本指ダブルタップします。「近接センサーを覆って読み上げを停止する」の切り替えボタンを変更します。 ______________________________________ ■6-5 アプリやボタンなどのアイテムを実行するジェスチャー  試しに電話アプリを実行してみましょう。まず画面をタッチしてスライド、指を滑らせていくか、1本指の右スワイプか左スワイプのジェスチャーを使って「電話」と読み上げられる所を見つけます。見つかったら画面から指を離してみましょう。操作フォーカスは電話アプリの場所で停止しています。  次に1本の指でダブルタップします。画面のどこで行なってもかまいません。電話アプリの画面が表示されたら成功です。 (ヒント) ダブルタップするときに気をつけることは、指が画面に接している時間が長くなってしまわないことです。タップではなくタッチだと勘違いされてしまうので、指が画面に当たったら、すぐに指を画面から離します。そして、同じ場所をタップするようにしましょう。ドアをノックする感覚ですが、力を強くする必要はありません。  無事に電話アプリを開くことができれば、ホーム画面を開く操作をして元の画面に戻しておきましょう。 ______________________________________ ■6-6 読み上げの単位や機能を変更する「読み上げコントロール」  TalkBackが読み上げできるのはアイコンや画面全体といった大きな単位だけではありません。文字単位、単語単位、行単位でも読み上げさせることができます。読み上げコントロールを変更することで、1本指の下スワイプか上スワイプにより、好みの方法でTalkBackはナビゲートしてくれます。 1. ●「3本指の下スワイプまたは上スワイプ」 ●「3本指の右スワイプまたは左スワイプ」 (マルチフィンガー・ジェスチャー)  デフォルトではどちらも同じ機能に割り当てられています。3本の指でスワイプします。画面のどこで行なってもかまいません。 2. ●「往復ジェスチャー 下へ上へ」 1本指で下に向けて指を滑らせて、画面に着けたままの指を上方向にスワイプします。 ●「往復ジェスチャー 上へ下へ」 1本指で上に向けて指を滑らせて、画面に着けたままの指を下方向にスワイプします。  上記のジェスチャーにより、次の読み上げコントロールや機能を切り替えできるようになっています。 ・文字 ・単語 ・行 ・段落 ・見出し ・コントロール ・リンク ・ランドマーク ・ウインドウ ・デフォルトのナビゲーション ・音声の速度 ・読み上げの詳細設定 ・句読点と記号 ・音声の言語 ・画面を非表示 ・他の音量を下げる ・スクロール ・ユーザー補助機能の音量  不必要な機能や読み上げコントロールは上記のメニュから外すこともできます。TalkBackメニューを開き、「TalkBackの設定」の箇所を1本指ダブルタップします。「メニューをカスタマイズ」→「読み上げコントロールをカスタマイズ」と進みます。 必要な項目のみオンにしておきましょう。 ______________________________________ ■6-7 文字を一つずつ読み上げさせるジェスチャー  読み上げコントロールが「文字」のカテゴリになっているとします。この状態では表示されている内容を1文字ずつ確認することができます。これにより、ひらがなかカタカナ、漢字の説明読みをさせることができるわけです。 ●「1本指の下スワイプまたは上スワイプ」 画面のどこで行なってもかまいません。 下スワイプでは、現在位置の次の文字が読み上げられます。 逆方向に移動したいときは上方向に指を動かします。  読み上げコントロールで「単語」を指定していれば、下スワイプで次の単語、上スワイプで前の単語を読み上げます。 ______________________________________ ■■チャプター7 ホーム画面の特徴  ホーム画面はとてもシンプルなレイアウトになっています。デフォルトでインストールされているアプリはアプリリスト、ドロワーと呼ばれる引き出しの中に入っているので、必要なときに引き出しを開いて開く仕組みになっています。  ユーザはホーム画面をカスタマイズすることで、アプリのショートカット、ウィジェットを表示させることができ、好みの場所に配置することもできます。  ホーム画面のレイアウトを紹介します。 「ステータスバー」  画面の一番上に表示されているのはステータスバーです。ここはホーム画面に限らず、あらゆる画面で表示されます。(アプリによってはステータスバーを非表示にしてしまうものがあるかもしれません)  時計、Wi-Fiの状態、モバイル通信のアンテナ、バッテリー残量などが表示されています。 「ウィジェット At A Glance」  ホーム画面の1ページ目には、上部にカレンダーや天気などの情報が表示されています。「At A Glance」と名付けられたウィジェットになっており、アプリを開かなくても情報を閲覧できます。  この内容を非表示にすることは可能です。 「お気に入りのアプリ ドック」  画面の下部にはアプリが横並びに表示されています。ホーム画面のページを切り替えても常に同じアイテムを表示させておくことができます。よく利用するアプリを配置しておけばどのページを表示させていてもすぐに起動できます。 「検索バー」  ドックの下には検索関連のアイテムが並んでいます。左から、 ・検索 ・音声検索 ・Google Lens 「ナビゲーションバー」  画面の最下行ですが、デフォルトでは非表示になっています。ホームボタンを含めた3ボタンを使用する設定にすると、三つのボタンが表示されます。左から、 ・戻る ・ホーム ・最近のアプリ ______________________________________ ■7-1 アプリリストを引き出すジェスチャー  デフォルトでインストールされているアプリはアプリリスト(ドロワー)、引き出しの中に隠されています。ジェスチャーでその引き出しを開くことにより、アプリの一覧を表示させることができます。 ●「2本指の上スワイプ」  画面のどこで行なってもかまいません。ドロワーからアプリの一覧を表示させることができます。  TalkBackがオフの環境では、画面の下から1本指の上スワイプです。  もしジェスチャー操作でアプリリストが開かない場合は、画面上の「ホーム」と読み上げられる箇所に操作フォーカスを合わせて、メニューを選んでいく方法があります。「ホーム」のアイコンは画面の中央をタッチすると見つけやすいです。あるいは、画面下部で、ドックのアプリが並んでいる少し上をタッチします。その箇所でTalkBackメニューを開き、一覧の中から「操作」→「アプリのリスト」と進みます。  「ホーム」の箇所に操作フォーカスを合わせて操作メニューを表示することで、ホーム画面のカスタマイズをすることもできます。「ホーム」のアイコンはよくタッチする場所になります。 ______________________________________ ■7-2 画面を横スクロールする、ページ移動のジェスチャー  ホーム画面が複数ページ存在する場合、画面を横スクロールするジェスチャーによりページを切り替えます。 ●「2本指の左スワイプまたは右スワイプ」  左スワイプとは、画面の右側から左に向けて指を滑らせます。画面のどこで行なってもかまいません。指の置き方ですが、縦にそろうように2本並べてもよいし、斜めになっていても横でも大丈夫です。大切なのは2本の指が同時に画面にタッチしていることと、指を滑らせる方向です。  2本指の左スワイプで次のページへ、右スワイプで前のページに移動します。 (ヒント) ページ移動のときには横に長く伸びた紙をイメージしてください。本体の右側に長く伸びている巻物、ネームテープでもよいでしょう。一つの画面の枠の中には入りきらないので、その紙を左に向けて引っ張っていきます。そうすることで続きのページ、つまり2ページ目や3ページ目が表示できるわけです。そのための操作が2本指の左スワイプです。  逆に2本指の右スワイプにより紙を左から右に引っ張っていく、そうすることで前のページを表示させます。  TalkBackがオフの時の標準ジェスチャーは、1本指の左スワイプまたは右スワイプです。 ______________________________________ ■7-3 ホーム画面の0ページ目「Google Discover」 ホーム画面で2本指の右スワイプは前のページに移動するジェスチャーですが、ホーム画面が1ページ目にある状態で2本指の右スワイプをすると、特別な画面に切り替わります。 「Google Discover」と呼ばれている画面です。Googleアプリにより、ニュースの話題やユーザが感心を持っていそうなトピックスを表示します。  この画面を表示させないようにカスタマイズすることは可能です。 ______________________________________ ■■チャプター8 設定アプリの中を覗いてみましょう  設定アプリは頻繁に使う機会があるでしょう。Pixel本体の機能やAndroidをカスタマイズできるメニューが並んでいます。設定アプリを開くには主に三つの方法が利用できます。 1. アプリリストから「設定」を起動します。 ・ホーム画面を開く(1本指の直角ジェスチャー 上へ左へ) ・アプリリストを開く(2本指の上スワイプ) ・「設定」のアイテムを見つけて1本指ダブルタップ。 2. クイック設定の画面から開く。 ・通知シェイドを開く(画面の上端から2本指の下スワイプ) ・クイック設定を開く(2本指の下スワイプ) ・「設定を開きます」ボタンを1本指ダブルタップ。 通知シェイドとクイック設定については後述します。 3. Googleアシスタントにリクエストする。 「オーケー グーグル 設定を開いて」 と声でリクエストします。  ここでは、アプリリストから「設定」アプリを開いてみてください。 ______________________________________ ■8-1 画面を縦スクロールする、ページ移動のジェスチャー  設定アプリにはたくさんのメニューが並んでいます。一つの画面には入りきらないので、縦長の画面になっています。1本指の右スワイプで次のアイテム移動していくと、自動的に画面がスクロールされて、最後のアイテムに向かって進んでいくことができます。しかし、その操作では何度も右スワイプすることになり面倒に感じられます。  立てスクロールのジェスチャーを利用すれば、1画面ずつ切り替えながら、最後の画面、最後のアイテムを見つけやすくなります。 ●「2本指の上スワイプまたは下スワイプ」 2本指で上スワイプすると、次のページが表示されます。つまり画面を下スクロールします。2本指で下スワイプすると、前のページが表示されます。つまり、画面を上スクロールします。画面のどこで行なってもかまいません。  TalkBackがオフの時の標準ジェスチャーは、1本指の上スワイプまたは下スワイプです。 (ヒント) 画面をスクロールする操作のときには、縦に長い紙、トイレットペーパーのようなものをイメージしてください。スマートフォン本体から下に垂れさがった紙があります。一つの画面の枠の中には入りきらないので、その紙を下から上に引っ張り上げる。そうすることで続きのページ、つまり2ページ目や3ページ目が表示できるわけです。  そのための操作が2本指の上スワイプです。逆に2本指の下スワイプにより紙を上から下に下げていく、そうすることで前のページを表示させます。 ______________________________________ ■8-2 一つ前の画面に戻るジェスチャー  設定アプリの中の「デバイス情報」というメニューの中に入ってみましょう。1本指ダブルタップでそのメニューが表示されます。  このように設定アプリはツリー構造になっているので、一つの項目に入るとさらに複数の項目に枝分かれしています。  一つ前の画面に戻るためには、「戻る」ボタンが用意されています。たいていは画面の左上端に配置されています。「前に戻る」や「上へ移動」と読み上げられるボタンです。その箇所を1本指ダブルタップすると、一つ前の画面が表示されます。  実はいちいちそのボタンを探して実行しなくてもよいように、ジェスチャーが用意されています。 ●「1本指の直角ジェスチャー 下へ左へ」 画面のどこで行なってもかまいません。一つ前の画面に切り替えることができます。ホーム画面にたどり着くと、そこから前の画面へは戻ることができません。 ______________________________________ ■■チャプター9 TalkBackジェスチャーのチュートリアルと練習モード  TalkBackのタッチジェスチャーを詳しく知りたい場合には、チュートリアルを呼び出して閲覧することができます。また、練習モードに入れば、タッチジェスチャーをした後に、そのジェスチャーの名前と説明を読み上げてくれます。 ______________________________________ ■9-1 チュートリアルを表示する TalkBackメニューを開き、「TalkBackの設定」の箇所を1本指ダブルタップします。「チュートリアルとヘルプ」→「チュートリアル」の箇所で1本指ダブルタップします。  カテゴリ別にタッチジェスチャーの説明を読むことができます。  設定アプリを開かなくても、タッチジェスチャーで「チュートリアルとヘルプ」の画面を呼び出すことができるようになっています。 ●「4本指のダブルタップ」 (マルチフィンガー・ジェスチャー) TalkBack設定の中の「チュートリアルとヘルプ」の画面を表示します。 ______________________________________ ■9-2 練習モードに入る TalkBackメニューを開き、「TalkBackの設定」の箇所を1本指ダブルタップします。「チュートリアルとヘルプ」→「ジェスチャーの練習」で1本指ダブルタップします。 この画面では、タッチジェスチャーをした後に、その名前と説明を読み上げてくれます。ただし、TalkBack特有のタッチジェスチャーについては確認できますが、2本指のスワイプなどは対応していません。  練習モードから抜け出すには、画面の下部に配置されている「終了」ボタンを1本指ダブルタップします。 ●「4本指のシングルタップ」 (マルチフィンガー・ジェスチャー) 練習モードに入ります。  これまでに出てきたジェスチャーを練習しておくとよいでしょう。 ______________________________________ ■■チャプター10 Google アシスタント、音声アシスタントの利用について 「オーケー グーグル」と呼びかけて声でリクエストする音声アシスタント、Google アシスタントの機能は、今ではスマートスピーカーでも利用できるメジャーな存在となりました。天気や自国の確認、アラームのセット、アプリの呼び出しなど、いろんな目的で活用できます。  四つの呼び出し方法について紹介します。 1. 「オーケー グーグル」と声でリクエストする。 2. ホーム画面の下部に配置されている「音声検索」の箇所を1本指ダブルタップする。 3. 電源ボタンを長押しする。 (Pixelのモデルによっては、デフォルトではオフになっています) 4. 画面の右下端あるいは左下端から2本指で上スワイプする。 Google アシスタントが開きます。  TalkBackがオフの環境での標準ジェスチャーは、画面の右下端あるいは左下端から1本指で上スワイプです。  Google アシスタントが呼び出されると「ポン」という効果音が鳴りますが、これはマイクで声を聞き取っているという合図です。合図が聞こえたら、声でリクエストを伝えます。そして、結果を待ちます。  もし「オーケー グーグル」という声によるリクエストで反応しない場合は、機能がオフになっているかもしれません。  設定アプリを開いて、「Googleサービスと設定」→「Googleアプリの設定」→「検索、アシスタントと音声」→「Google アシスタント」に進むと、カスタマイズするためのメニューが表示されます。 「全般」と進み、 「Google アシスタント」の切り替えボタンがオンになっているかどうかを確認してください。 ______________________________________ ■10-1 電源ボタンでGoogle アシスタントを呼び出す  Pixel 6シリーズではこの設定になっているので変更する必要はありません。  電源ボタンを長押しすることでGoogle アシスタントを呼び出せるように設定できます。設定アプリを開いて、「システム」→「ジェスチャー」→「電源ボタンを長押しする」と進み、 「長押しでアシスタントを呼び出す」をオンにします。  Pixelのモデルによっては、電源ボタンの長押しで電源オプションが表示されるようになっています。Google アシスタントを呼び出す設定に変更した場合、電源を切るメニューは電源ボタンと音量アップボタンを1回同時押しすることで表示されるように代わります。 ______________________________________ ■10-2 文字入力してリクエストを伝える  声の代わりに、キーボードで文字入力してリクエストを伝えることができます。  設定アプリを開いて、「Googleサービスと設定」→「Googleアプリの設定」→「検索、アシスタントと音声」→「Google アシスタント」→「全般」と進み、 「優先する入力」に入ります。音声とキーボードを指定できるようになっているので、 「キーボード」を1本指ダブルタップします。  ホーム画面の「音声検索」の箇所を1本指ダブルタップするとGoogle アシスタントの画面になりますが、画面の左下にリクエストをタイプするテキストフィールドが表示されます。 ______________________________________ ■■チャプター11 読み上げ操作をしていく上でのヒント ■ ヒント読み  TalkBackにはたくさんのジェスチャが用意されています。それらのジェスチャはどの場面で使えばよいのか、何が実行できるのか、すぐに頭には浮かんでこないものです。そんなときにはTalkBackの読み上げを最後まで聴いてみてください。ボタンやテキストの内容を読み上げた後に、今はどんなジェスチャが使えるのかなどをヒントとして案内してくれます。  ヒント読みはオフにすることもできますが、慣れないうちはヒント読みをオンにして、読み上げ音声を最後まで聞くことをお勧めします。 ■ アイテムの種類、要素の説明  画面上のアイテム(アイコン)には様々な種類があり、ボタンやアプリのショートカットであればタップすることで実行されます。テキストであればタッチしても何も反応しません。  それらのアイテムの種類である要素の名前をTalkBackは読み上げてくれます。たとえばリンクや画像など。 ■ フィードバック  うまく操作できたのかどうかは音とバイブレーションでフィードバックしてくれます。それぞれをオフにすることもできますが、慣れないうちはオンにしておくと安心です。 たとえば画面を縦スクロールするときには、次のページが表示されると効果音は低い音から高い音に変化します。 ■ タッチジェスチャーがうまくいかない理由  タッチジェスチャがうまく反応しない原因としては、自分では1本指で操作しているつもりなのに、無意識に他の指や手のひらなど、他の部分が画面に当たって2本指や3本指のジェスチャとして誤認識されてしまうこともあります。操作しない指や手のひらは画面からしっかり離しておくことが必要です。  ダブルタップがうまく認識されない原因としては、 タップする早さが遅すぎる、 画面に接触している時間が長すぎる、 1回目と2回目のタップする場所がずれている、 などが考えられます。  操作がうまくいかないときは、自分の手のひらをPixelの画面に見立てて、もう片方の手の指でジェスチャの練習をしてみるのはよい方法です。 ■ メニューの中から操作したい項目を選ぶ  Windowsをスクリーンリーダー環境で使用している人はAltキーやアプリケーションキーでメニューを表示させることが多いと思います。Android OSでもTalkBackメニューや長押し(本指のダブルタップ&ホールド)をすることで、実行できるメニューを表示させることができます。メニューの中から実行したい機能を選べばよいので、比較的Windowsをスクリーンリーダーで操作する感覚に近いと考えてよいでしょう。 ■ レイアウトを頭に描く  ある程度使い続けていくと、アプリのレイアウトが予想できるようになります。そして、普段よく使うアプリのレイアウトを覚えておけば、目的のボタンを読み上げさせてから実行するまでの時間を短縮することができます。  よく使うボタン類は画面の最下行や最上行に表示されていることが多いです。また、前の画面に戻るためのボタンは左上端に配置されることが多いですが、画面の四隅を確認してみるとレイアウトを把握しやすくなります。 ■ 1本指の右スワイプまたは左スワイプによるアイテム移動はエリアのなかに限られる  画面上のアイテムを確認するときに1本指の右スワイプまたは左スワイプはよく使うジェスチャーです。ただし、画面に表示されているアイテムのすべてを移動できるというわけではありません。  たとえばステータスバーの箇所をジェスチャーでアイテム移動すると、ステータスバーのエリアにあるアイテムにしか移動しません。ソフトウェア・キーボードの中であれば、キーボードのエリア内だけを移動します。  これは安心して同じエリア内だけをアイテム移動できるという利点もありますが、1本指の右スワイプまたは左スワイプだけに頼って画面のアイテムを確認しようとしていると、他のエリアにあるアイテムに気付かない恐れがあります。  スライドしたり任意の箇所をタッチするなどして、画面のアイテムやレイアウトを確認することは必要です。 ■ TalkBackの音量を調整するには  Pixelの音量ボタンで調整できるのは音楽などメディアの再生音と、TalkBackの読み上げ音声などのユーザー補助機能の音声です。それぞれは連動しておらず、どちらか一方の音量が変化します。 1. TalkBackが読み上げ中に音量ボタンを押すと、TalkBackの読み上げ音量が変化します。 2. メディアの再生中であればメディアの再生音量が変化します。 3. メディアの再生中でTalkBackが読み上げている場合、TalkBackの読み上げ音量が変化します。 4. メディアもTalkBackも音が出ていない場合、どちらの音量が変化するのかは状況やタイミングによって異なります。 5. メディアもTalkBackも音が出ていない場合、TalkBackの読み上げ音量を調整したければ、画面を1本指でタッチしたまま音量ボタンを押します。 ______________________________________ ■■チャプター12 電話アプリの操作  ホーム画面から電話のアプリを開いてみましょう。電話アプリの一番下の行に注目してください。三つの項目(タブ)の切り替えボタンが並んでいますが、目的のものを1本指でダブルタップすればそれぞれの画面が表示されます。 「お気に入り」 よく使う連絡先を登録できます。 「履歴」 発着信の履歴を確認できます。 「連絡先」 アドレス帳です。  電話番号を入力するためには「キーパッド」ボタンを1本指ダブルタップすると、テンキーが表示されます。キーパッドボタンは画面の右下、「連絡先」タブの少し上に配置されています。 ______________________________________ ■12-1 電話番号を入力する  ここでは電話番号の入力の練習をしてみましょう。「キーパッド」ボタンを1本指ダブルタップしてみてください。  画面の下部にはよく見慣れたテンキーが表示されます。  入力した数字は編集ボックスに表示されます。編集ボックスの位置は数字の2の上の部分です。  編集ボックスの右横には「Backspace」ボタンが配置されています。  「発信」ボタンは数字の0の下に位置します。  では、実際に12345と番号を入力してみましょう。 ●「タッチ&リリース」 画面に指をタッチして、画面につけたままの指を滑らせて数字を見つけます。目的の数字をTalkBackが読み上げたら、指を画面から離します。数字が入力されますが、このときビープ音が聞こえます。  編集ボックスの箇所をタッチして入力された数字を確認してみてください。  「Backspace」ボタンを1本指ダブルタップすると、直前に入力された数字は削除されます。 ______________________________________ ■12-2 電話に応答するジェスチャー  電話がかかってきたことは、どのアプリを使用している時でも、スリープモードに入っていても、着信音かバイブレーションで確認できます。  画面には相手の電話番号や連絡先に登録されている名前が表示されます。その他にも次のボタン塁が表示されます。 ・通話をスクリーニングする ・返信 ・拒否 ・応答  「応答」ボタンを1本指ダブルタップすることで、通話できるようになります。しかし、いちいち応答ボタンを探してからタップするという操作は、時間がかかってしまい手間に感じることでしょう。そこでジェスチャーにより応答することができます。 ●「2本指のダブルタップ」 (マルチフィンガー・ジェスチャー) 画面のどこで行なってもかまいません。 ●「2本指の上スワイプ」 画面のどこで行なってもかまいません。  通話に応答する前の画面に表示されているボタンについて紹介します。  「返信」ボタンを1本指ダブルタップすると、用意されている内容からメッセージを選択して、相手にはその内容が音声メッセージとして伝えられます。  「通話をスクリーニング」とはGoogle アシスタントの機能です。このボタンを1本指ダブルタップすると、相手には自動音声が流れて、名前と要件を話すようにというメッセージが伝えられます。相手がそれに応答すると、自分のPixelの画面には、相手の返答が文字化されて表示されるという仕組みです。直接声でやり取りできない場面などでは活用できる機能です。  「拒否」ボタンを1本指ダブルタップすると、自分は電話には応答できないという内容が相手に音声メッセージで伝えられます。 ______________________________________ ■12-3 通話を切断するジェスチャー  通話中に画面上の終了ボタンをタップしなくても、その他の方法で切断することができます。 ●「2本指のダブルタップ」 (マルチフィンガー・ジェスチャー) 画面のどこで行なってもかまいません。 ●「電源ボタンをクリックする」 事前準備が必要です。設定アプリを開いて、「ユーザー補助」→「システム操作」と進み、「電源ボタンで通話を終了」の切り替えボタンをオンにしておきます。  これで通話中に電源ボタンを押すことで、通話は切断されます。 ______________________________________ ■12-4 着信音を消音にする  着信音が鳴っている状態で、音量ボタンを1回クリックすると、着信音を消すことができます。 ______________________________________ ■12-5 通話中の操作  通話中の画面には「通話終了」ボタンのほかに、自分の声を相手に聞かせたくない時に使える「ミュート」ボタンや、スピーカーフォンにするためのボタン類が表示されています。 ・相手の電話番号 ・通話品質 ・経過時間 ・ミュートを解除しました ・キーパッド ・スピーカー オフです ・通話を追加 ・ビデオ通話 ・通話を保留 ・通話を終了  ミュートしている状態では「ミュートしました」という表示になります。  スピーカーフォンがオンの状態ではスピーカー オンです」という表示になります。  通話中にプッシュボタンの数字を押す必要のある場面では、「キーパッド」ボタンを1本指ダブルタップすることで、画面の下部に電話番号を入力したのと同じテンキーが表示されます。画面の上部には通話中に操作できるボタン類がそのまま表示されます。  もしキーパッドを隠したい場合は、戻るジェスチャーを行なうか、「戻る」ボタンを1本指ダブルタップします。 ______________________________________ ■■チャプター13 文字入力  PixelにインストールされているIME、キーボードアプリはGoogleが開発しているGboard(日本語)です。ここでは、Gboardを利用した文字入力について紹介します。  キーボード関連をカスタマイズする場合は、設定アプリを開いて、「システム」→「言語と入力」→「画面キーボード」の中で行います。  システム言語が日本語のPixelではGboardは日本語キーボードのみがインストールされているかもしれません。他の言語を追加することは可能です。ハードウェア・キーボードを利用するのであれば、英語キーボードを追加しておくと、キーボードの切り替えがスムーズに行なえるようになります。  TalkBackがオンの環境では、文字入力の方法は二つ用意されています。 1. ●「指でキーを選択してから離す」 電話番号を入力したのと同じ方式で、タッチ&リリースです。 画面に指をタッチして、画面につけたままの指を滑らせて文字を見つけます。目的の文字をTalkBackが読み上げたら、指を画面から離します。文字が入力されますが、このときにフィードバックとして入力された文字が読み上げられます。 2. ●「・指でキーを選択してからダブルタップする」 画面に指をタッチして、画面につけたままの指を滑らせて文字を見つけます。目的の文字をTalkBackが読み上げたら、指を画面から離します。1本指ダブルタップすることで文字が入力されます。  デフォルトはタッチ&リリース方式です。文字入力方式の変更はTalkBack設定の中で行います。 TalkBackメニューを開き、「TalkBackの設定」の箇所を1本指ダブルタップします。「詳細設定」→「入力の設定」と進み、 ・指でキーを選択してからダブルタップする ・指でキーを選択してから離す どちらかを1本指ダブルタップすることでオンになります。  では、メモアプリを起動して、文字入力の練習をしてみましょう。ここでは、「Keep メモ」アプリを使います。アプリリストを引き出してアプリの一覧からアプリを開いてもよいですし、 「オーケー グーグル キープメモを開いて」 「オーケー グーグル グーグルキープを開いて」 とGoogle アシスタントにリクエストしてもよいでしょう。  Keep メモで作成したメモの内容は、他のOSの環境でも閲覧・編集できるので便利です。Google Keepと呼ばれているGoogleのサービスの一つです。  初めてKeep メモアプリを開くと案内文が表示されるかもしれませんが、指示にしたがって先に進んでください。アプリのトップ画面が表示されたら、「新規テキストメモ」ボタンを1本指ダブルタップします。  新しいメモを作成する画面に変わるので、この画面の中の「メモのタイトル 編集ボックス」と読み上げられる箇所を1本指ダブルタップします。すると、画面の下部にソフトウェア・キーボードが表示されて、文字入力できる状態になります。  日本語のソフトウェア・キーボードのデザインはQWERTYスタイルと12キー(電話の数字キー)スタイルを選べますが、まずはパソコンのキーボードと同じQWERTYスタイルでの文字入力について紹介します。 ______________________________________ ■13-1 QWERTYキーボードのレイアウト  パソコンのキーボードに慣れている人にとっては文字の配列が同じなので迷うことはないでしょうが、いくつかの操作ボタンの配置は確認しておく必要があります。 「キーボード切り替えボタン」 複数の種類が用意されています。日本語ローマ字、半角英字、数字、記号、絵文字、ステッカー。メインになるキーボード種類の切り替え方法は、切り替えボタンを使用します。ボタンは左シフトキーの下に配置されており、タッチ&リリース方式を選んでいる場合は、読み上げを確認したら指を画面から離すことでキーボードが切り替わります。 ・アルファベット入力キーボード: 半角英字 ・数字キーボード ・かなキーボード: 日本語ローマ字 「カーソルキー」 エンターキーの左横に横並びに配置されています。TalkBackでは「左」「右」と読み上げられます。 「機能メニュー」 キーボードの最上段の上に表示されます。 ・機能メニューを閉じる ・ステッカーキーボード ・翻訳 ・設定 ・テーマを設定 ・他の機能 ・アシスタントの音声入力 機能メニューのボタン類が表示されていなければ、「機能メニューを開く」を1本指ダブルタップしてください。 「ナビゲーションバー」 画面の最下行に表示されます。 ______________________________________ ■13-1-1 半角英字のキーボード  まずは半角英字のキーボードで文字入力を試してみましょう。キーボード切り替えボタンが「アルファベット入力キーボード」と読み上げられる状態であれば、その箇所をタッチ&リリース、あるいは1本指ダブルタップすることで半角英字のキーボードに切り替わります。  では適当な文字を入力してみてください。編集ボックスの箇所をタッチしすると、入力した文字が読み上げられます。 ______________________________________ ■13-1-2 数字を入力するには  QWERTYキーボードの最上段に1から0までの数字が表示されていれば、数字はそれらのキーで入力します。もし表示されていなければ数字キーボードに切り替える必要があります。  キーボード切り替えボタンが「数字キーボード」と読み上げられる状態であれば、その箇所をタッチ&リリースすることで数字キーボードに切り替わります。ただし、電話番号を入力するのと同じレイアウトではなく、数字と数字の間に記号キーが配置されているので、単純に数字を入力するときには使いやすいとは感じられません。そこで、後述する方法で、アルファベット入力キーボードとかなキーボードの最上段に数字キーを配列させることをお勧めします。  数字キーボードでは一部の記号キーを入力できますが、さらに記号類を表示させることができます。キーボード切り替えボタンの上に配置されている「記号キーボード」の箇所をタッチ&リリース、あるいは1本指ダブルタップします。  記号キーボードから文字キーボードに切り替えるには、「文字キーボード」の箇所を1本指ダブルタップします。このときはタッチ&リリースでは切り替わらないことに注意してください。 ______________________________________ ■13-1-3 キーボードの最上段に数字キーを配列する  キーボードの機能メニューの名から「設定」の箇所を1本指ダブルタップします。機能メニューとはキーボードの最上段の上に横並びで表示されているボタン類です。  キーボードの設定メニューが表示されます。 「設定に入り、 「数字行、QWERTY、QWERTZ、AZERTY レイアウトのときは常に数字行を表示する」の切り替えボタンをオンにします。  これにより、かなキーボードとアルファベット入力キーボードは1段加わり、最上段は1から0の数字キーとなります。 ______________________________________ ■13-1-4 大文字を入力するには  まずShift(シフト)キーをタッチ&リリース、あるいは1本指ダブルタップします。キーボード上のアルファベットは大文字に代わり、キーボード上を指で滑らせると「大文字のH」などのような読み上げフィードバックがあります。文字を1文字入力するか、Shiftをタッチ&リリース、あるいは1本指ダブルタップすると、小文字に戻ります。  連続して大文字を入力したい場合は、パソコンと同様にCaps Lockをオンにしておきます。Shiftの箇所をタッチ&ホールド、あるいは1本指ダブルタップ&ホールド、つまり長押しします。解除するにはShiftをタッチ&リリース、あるいは1本指ダブルタップします。 ______________________________________ ■13-1-5 日本語ローマ字キーボード  次は日本語ローマ字キーボードで漢字を入力してみましょう。 キーボード切り替えボタンが「かなキーボード」と読み上げられる状態であれば、その箇所をタッチ&リリース、あるいは1本指ダブルタップすることで日本語ローマ字キーボードに切り替わります。  「asa」とでも入力してみてください。Windowsパソコンではスペースキーで文字を変換しますが、それと同じく、スペースをタッチ&リリース、あるいは1本指ダブルタップすることで変換候補を表示させることができます。変換候補が読み上げられます。読み上げ音声を最後まで聞いていると、文字の説明をしてくれます。  候補文字を確定するにはエンターの箇所を1本指ダブルタップします。すべての文字をひらがなで入力する場合は、スペースは触らずにエンターの箇所を1本指ダブルタップして確定します。  画面上に表示されている候補文字をタッチしながら目的の文字や単語を確定させることもできます。候補文字が表示されている場所は、キーボードの最上段の上の部分です。画面に着けたままの指を滑らせながら候補文字を見つけて、タッチ&リリース、あるいは1本指ダブルタップで確定です。 (注意) エンターキーはその場面によって役割が変わります。「次へ」ボタン、「検索」ボタンなど。また、ダブルタップ&ホールドすると、代替文字ウインドーが開きます。 ______________________________________ ■13-2 音声入力  「アシスタントの音声入力」ボタンを1本指ダブルタップすることで、マイクが聞き取りモードになり、話した声を文字に変換してくれます。聞き取りモードに入ったときには効果音がなります。同じボタンが「アシスタントの音声入力を停止」ボタンに役割が変わるので、音声入力を停止するにはそのボタンを1本指ダブルタップします。  ボタンをタップする代わりに、「停止」と声でリクエストすることでも聞き取りを止めることができます。 ______________________________________ ■13-3 日本語かなキーボード  日本語のローマ字入力については前述しましたが、12キー(電話の数字キー)スタイルによる日本語入力を試してみましょう。キーボードのデザインを変更するには設定アプリの中で行ないます。  設定アプリを開いて、「システム」→「言語と入力」→「画面キーボード」→「Gboard」→「言語」→「日本語」と進み、 「12 キー」を1本指ダブルタップして選択状態にします。このとき「12 キー」だけが選択状態になっている必要があるので、QWERTYが選択状態になっていれば1本指ダブルタップして選択を解除します。  もし、英文字を入力するキーボードについてはQWWERTYスタイルを選びたい場合、 「英字入力時はQWERTY」の切り替えボタンをオンにしておくとよいでしょう。 「完了」ボタンを1本指ダブルタップして決定しておきます。  また、日本語のQWERTYスタイルと12キーを併用したい場合は、「キーボードを追加」ボタンを1本指ダブルタップして日本語を追加してください。一つはQWERTYスタイル、もう一つは12キースタイルに指定しておくと、ソフトウェア・キーボード上の言語の切り替えボタンを利用して好みのスタイルを選べるようになります。  では、12キースタイル・キーボードでカーソルキーの位置など、キー配列を確認しておきましょう。携帯電話の12キー方式の文字入力の場合、たとえば数字の1は「あ行」になり、1を3回タップすることで「う」を選ぶことができます。しかし、TalkBack環境ではその入力方式はできません。 ●「フリック入力」 「う」を入力するとき、「あ」の箇所を1本指でタッチします。指は画面に着けたままにしておきます。すると「あ」の箇所を囲むように「いうえお」が表示されます。9時の方向に「い」、12時の方向に「う」、3時の方向に「え」、6時の方向に「お」です。 タッチしたままの指を「う」の場所に滑らせてから指を離します。この操作により文字が入力されます。  ただし、1本指ダブルタップで文字入力をする方式では、「あ」、「か」などの文字を入力するには、1本指ダブルタップする必要があります。その周りの「い う え お」などについては指を離すと入力されます。 ______________________________________ ■13-4 絵文字キーボード  絵文字キーボードを選ぶと、絵文字の入力ができます。「絵文字キーボード」ボタンが表示されていなければ、機能メニューボタンの「ステッカーキーボード」を表示させてから、画面下部で選ぶことができます。  キーボード上で2本指の上スワイプや舌スワイプにより画面を立てスクロールすると、絵文字の種類を一覧できます。 ______________________________________ ■■チャプター14 文字の削除、テキスト編集  編集ボックスの中では、カーソルを動かすことで目的の文字を削除したり、範囲選択をしてコピー、ペースト、カットなどの操作ができます。 1本指ダブルタップで 編集ボックスを開けると、操作フォーカスは末尾に位置します。 ______________________________________ ■14-1 入力文字の削除や取り消しの操作  編集ボックス内で文字の削除をするには「削除」ボタンを使います。 1. 直前に入力した文字を削除する。 QWERTY配列のキーボードでは、mキーの右横が削除、バックスペースボタンになっています。直前に入力した文字を削除することができます。 日本語仮名キーボードでは「さ」の右横に配置されています。 タッチ&リリース、あるいは1本指ダブルタップすることで1文字削除できます。  この削除ボタンを1本指でダブルタップ&ホールド、つまり1本指でダブルタップして2回目のタップでは指をつけたままにしておくと、画面から指を離すまで削除の操作がつづけられます。削除ボタンを押し続けるわけです。カーソルのある位置から先頭の文字までを一気に削除するときに活用できます。 2. 削除したい文字にカーソルを合わせて削除する。 エンターの左横にはカーソルキーが横並びに配置されています。「左」をタッチ&リリース、あるいは1本指ダブルタップすることで前の文字に移動します。「右」は次の文字に移動します。  「左」でカーソルを移動した場合、読み上げのあった文字のところで削除ボタンを実行すると、削除されるのはその左隣の文字になります。Windowsでのバックスペースキーと同じ働きをします。  「右」でカーソルを移動した場合、読み上げのあった文字のところで削除ボタンを実行すると、その文字が削除されます。Windowsでのデリートキーと同じ働きをします。 (注意) カーソルキーを利用した文字移動の場合、文字の説明読みはしてくれません。 3. 編集ボックス全体を空にする。 編集ボックスの箇所から1本指で右スワイプすると、「消去」ボタンが表示されていることがあります。このボタンを1本指ダブルタップすることで、編集ボックスの中身をすぺて削除することができます。ただし、すべての場面で「消去」ボタンが表示されるわけではありません。 ______________________________________ ■14-2 タッチジェスチャーと音量ボタンによるカーソルの移動  TalkBackの操作フォーカスが編集ボックスの箇所にあると、1本指の下スワイプか上スワイプでカーソルを移動することができます。タッチジェスチャーによるカーソル移動は、読み上げコントロールで指定している項目に準じます。1文字ずつ移動したければ、事前に読み上げコントロールを「文字」に指定しておきます。その他にも、単語単位、行単位での移動を指定できます。1本指の下スワイプで後ろ方向へ、1本指の上スワイプで前方向へ移動します。  文字の単位でカーソルを移動させると、文字の説明読みをしてくれます。  タッチジェスチャーによるカーソル移動がうまくいかない場合、代替手段として音量ボタンを利用できるようになっています。この場合にもTalkBackの操作フォーカスが編集ボックスの箇所にある必要があります。音量アップは後ろ方向へ、音量ダウンは前方向へ移動します。カーソルが移動する単位は読み上げコントロールで指定した項目に従います。 (注意) TalkBackの操作フォーカスが編集ボックスからずれてしまうと、いずれの方法でもカーソル移動はできません。 ______________________________________ ■14-3 編集オプション  TalkBackの操作フォーカスが編集ボックスの箇所にあると、TalkBackメニューの中で「編集オプション」を選べるようになります。編集オプションのメニューを利用することで、コピーや貼り付けなどの操作を行うことができます。  TalkBackメニューを開き、「編集オプション」の箇所を1本指ダブルタップすると、次のような項目が表示されます。状況に合わせて利用可能な項目だけが表示されるので、メニューの内容は常に同じではありません。 ・先頭にカーソルを移動 ・末尾にカーソルを移動 ・切り取り ・コピー ・貼り付け ・すべて選択 ・選択モードを開始または終了 ・キャンセル  この方法とは別に、編集ボックスの箇所を1本指ダブルタップ&ホールドすることでも編集オプションを表示させることができますが、TalkBackがオフの環境で利用できる編集メニューとなっています。範囲選択モードやカーソル移動などのTalkBack向けのメニューは含まれていません。 ______________________________________ ■14-4 テキスト編集関連のタッチジェスチャー  コピーや貼り付けの操作は編集オプションから行うことができますが、マルチフィンガージェスチャーに対応している端末では関連のジェスチャーが用意されています。いちいち編集オプションのメニューから選ばなくても、次の操作ができます。 ●「3本指のダブルタップ」 コピー。 範囲選択したテキストだけでなく、直前にTalkBackが読み上げた内容もコピーできます。 また、編集ボックスの箇所でこのジェスチャーを行なうと、編集ボックス内のすべてのテキストをコピーします。 ●「3本指のトリプルタップ」 貼り付け ●「3本指のダブルタップ&ホールド」 切り取り ●「2本指のダブルタップ&ホールド」 選択モードの開始と終了 ______________________________________ ■14-5 文書の先頭と末尾へのカーソルの移動  文字を入力するには、編集ボックスと読み上げされるアイテムを1本指ダブルタップで開く必要があります。編集ボックスが開くとソフトウェア・キーボードが表示されます。このとき、カーソルは末尾に位置します。  編集ボックスの中でカーソルを先頭か末尾に移動させるには、二つの方法を利用できます。 ●「編集オプションメニュー 先頭か末尾にカーソルを移動」 TalkBackメニューを開き、「編集オプション」を1本指ダブルタップします。 編集オプションのメニューの中から、 「先頭にカーソルを移動」 あるいは、 「末尾にカーソルを移動」の箇所で1本指ダブルタップします。 ●「カーソルキーを長押し」 「左」を1本指ダブルタップ&ホールドすると、押し続けている間はカーソルが左に移動し続けて、最終的に先頭に到達します。末尾に行くには「右」を1本指ダブルタップ&ホールドします。TalkBackはカーソルが先頭か末尾に到達したことをアナウンスしてくれます。「項目の先頭」、「項目の末尾」と読み上げられます。 ______________________________________ ■14-6 編集ボックス内でテキストを範囲選択する  編集ボックスの中のテキストを範囲選択する手順は、まず編集ボックスの箇所にTalkBackの操作フォーカスを合わせます。範囲選択したい先頭の文字にカーソルを移動して選択開始の操作を行います。次に、終了文字に移動して選択終了の操作を行います。  二つの方法、編集オプションのメニューとタッチジェスチャーが利用できます。選択の開始と終了は同じ操作法となります。 ●「編集オプションメニュー 選択モードを開始または終了」 TalkBackメニューを開き、「編集オプション」を1本指ダブルタップします。 編集オプションのメニューの中から、 「選択モードを開始または終了」の箇所を1本指ダブルタップします。 ●「2本指のダブルタップ&ホールド」 (マルチフィンガー・ジェスチャー) 2本指でダブルタップして、指はそのまま画面にタッチしておきます。  選択を開始すると、 「選択モードはオンです」とTalkBackはアナウンスします。  範囲選択を終了すると、 「選択モードはオフです」とTalkBackはアナウンスします。  選択モードがオンになると、カーソルを移動したときに文字が選択されていることをTalkBackはアナウンスします。また、範囲選択の終了をタッチジェスチャーで行なったときには、選択されている文字列が読み上げられます。 ______________________________________ ■■チャプター15 アプリスイッチャー、アプリの切り替え、分割表示  一度アプリを起動すると、それらのアプリはアプリスイッチャー、マルチタスク画面で確認できるようになっています。以前に起動したアプリを開く場合、ホーム画面の中でアプリを見つけて実行するよりも、少ない手間で呼び出せるわけです。  使わないアプリはこの画面から閉じることで、アプリの動きを終了させることができます。また、アプリの操作がうまくいかない場面では、一度アプリを終了させてから起動しなおすとスムーズに操作できることがあります。  一つの画面に二つのアプリを分割表示させることができるようになっており、マルチタスク画面で操作します。 ______________________________________ ■15-1 アプリスイッチャーの画面を表示する  アプリの一覧を表示させるには、いくつかの方法があります。 ●「直角ジェスチャー 左へ上へ」 画面のどこで行なってもかまいません。 ●「2本指で下端から上スワイプしてホールド」 ジェスチャー・ナビゲーションがオンになっている場合、画面の下端から2本指で上スワイプし、途中でホールド、指を画面に着けたままにしておきます。TalkBackがオフの環境では1本指で操作します。 画面の最下行のナビゲーションバーに3ボタンを表示させている場合、「最近のアプリ」の箇所を1本指ダブルタップします。  画面には起動しているアプリ名の一覧が表示されます。開きたいアプリの箇所を1本指ダブルタップします。 ______________________________________ ■15-2 アプリを閉じる  アプリスイッチャーの画面で、終了させたいアプリの名前を読み上げさせます。二つの方法が利用できます。 1. ●「2本指の上スワイプ」 画面のどこで行なってもかまいません。 2. TalkBackメニューを開き「操作」の箇所を1本指ダブルタップします。 「閉じる」の箇所を1本指ダブルタップします。  複数のアプリが表示されていれば、「すべてクリア」ボタンが表示されています。ここを1本指ダブルタップすることで、開いているアプリのすべてをまとめて閉じます。 ______________________________________ ■15-3 分割画面  一つの画面に二つのアプリを表示させることができます。それぞれのアプリは画面の上と下に分割されて表示されますが、その間には「分割画面の分割線」(Split Screen Divider)が現れます。  TalkBackの操作フォーカスを1本指の右スワイプや左スワイプで移動すると、分割線を越えて、アプリをまたいで移動します。連続読みさせている場合も、上のアプリの内容を読み終えたら下のアプリの内容を読み上げます。 ______________________________________ ■15-3-1 アプリを分割表示させる  アプリスイッチャーの画面を開き、まずは上に表示するアプリを選びます。次に下に表示するアプリを選ぶと、分割画面に切り替わります。 1. アプリスイッチャーを開きます。上に表示したいアプリ名の箇所でTalkBackメニューを開き、「操作」の箇所を1本指ダブルタップします。 つづいて、「分割画面」の箇所を1本指ダブルタップします。 2. 画面はアプリスイッチャーのままです。下に表示したいアプリ名の箇所を1本指ダブルタップします。 3. 二つのアプリが表示された分割画面に切り替わります。  一度分割画面にすると、その状態は継続されます。画面の上に表示されたアプリはそのまま残り、新しく開いたアプリは下に表示されます。 (アプリによっては全画面でないと開かないものもあるかもしれません) ______________________________________ ■15-3-2 分割画面を終了する  分割画面を終了するには、下に表示されているアプリを全画面表示に切り替えます。 1. 二つのアプリの間に表示されている「分割画面の分割線」(Split Screen Divider)の箇所に操作フォーカスを合わせます。 2. TalkBackメニューを開き、「操作」の箇所を1本指ダブルタップします。 3. アプリの表示サイズを切り替えるメニューが表示されます。 ・上部 全画面 ・上 70パーセント ・上 50パーセント ・上 30パーセント ・下部 全画面 ・キャンセル 「下部 全画面」の箇所を1本指ダブルタップします。これで分割画面は終了します。次から開くアプリは全画面で表示されます。 ______________________________________ ■15-4 アプリをジェスチャーで切り替える  複数のアプリを開いている場合、アプリスイッチャーを開かなくてもアプリをジェスチャーで切り替えることができます。 ●「画面の下端で2本指の右スワイプまたは左スワイプ」 画面の最下行、ナビゲーションバーの領域で行ないます。 TalkBackがオフの環境では、1本指の右スワイプまたは左スワイプです。  分割画面の状態では、上のアプリはそのままで、下のアプリが切り替わります。 ______________________________________ ■■チャプター16 通知シェードの画面を呼び出す  新着メールやツイッターの返信などのお知らせ情報は、「通知シェード」、通知の画面を表示させることで素早く閲覧することができます。 ●「直角ジェスチャー 右へ下へ」 画面のどこで行なってもかまいません。 ●「画面の上端から2本指で下スワイプ」 TalkBackがオフの環境では、1本指で下スワイプします。  通知の画面を閉じるには、ホーム画面を開く操作をします。あるいは、戻るのジェスチャーも利用できます。  通知シェードの画面では、次の機能のオンとオフを切り替えできます。 ・Wi-Fi ・Bluetooth ・ライト ・サイレントモード  通知の内容の箇所を1本指ダブルタップすることで、そのアプリを開きます。閲覧済みになれば、通知シェードから非表示となります。  通知の内容が展開されていれば「折りたたむ」ボタンが、折りたたまれていれば「展開」ボタンが操作できます。  「管理」ボタンにより、アプリごとに通知を表示するかどうかカスタマイズできます。  「通知をすべて消去」ボタンにより内容をすべて消去できます。 ______________________________________ ■■チャプター17 クイック設定を呼び出す  クイック設定の画面を表示すると、機内モードへの切り替えなどを素早く行うことができます。設定アプリを開くボタンも用意されているので、いちいちホーム画面やアプリリストから探す必要はなくなります。  通知シェードの画面で、 ●「2本指の下スワイプ」 画面のどこで行なってもかまいません。  次のような機能メニューが表示されます。 1ページ目 ・ディスプレイの明るさのスライダー ・Wi-Fiのスイッチ ・Bluetoothのスイッチ ・ライトのスイッチ ・サイレントモードのスイッチ ・アラーム ・機内モードのスイッチ ・デバイス コントロール ・ウォレット ・設定の順序を編集するボタン ・電源ボタン メニューのボタン ・設定を開くボタン 2ページ目 ・バッテリー セーバーのスイッチ ・画面のキャストのボタン ・スクリーン レコード 開始のスイッチ ・ニアバイシェア ・マイクへのアクセスのスイッチ ・カメラへのアクセスのスイッチ ・自動字幕起こしのスイッチ ・画面の自動回転のスイッチ ・設定の順序を編集するボタン ・電源ボタン メニュー ・設定を開くボタン 1ページ目から2ページ目に映るには、2本指の左スワイプを行います。 ______________________________________ ■17-1 画面を縦方向にロックする  Pixelを縦向き・横向きに持ったとき、その向きに合わせて自動的に表示を切り替えてくれる機能があります。全てのアプリや場面で必ず切り替えてくれるというわけではありません。  クイック設定の中で「画面の自動回転」のスイッチをオンにします。  しかし、もしも意図せずに本体を傾けて横表示になってしまうと、指を動かす方向が変わってしまうので面倒に感じることがあります。そんなときにはスイッチをオフにしておき、画面を縦にだけ表示するようにしておくとよいでしょう。 ______________________________________ ■17-2 クイック設定で表示する機能を追加・削除する  クイック設定では次の機能を表示したり非表示にできます。  「設定の順序を編集する」ボタンを1本指ダブルタップすると閲覧できます。 1-1 インターネット 1-2 Bluetooth 1-3 ライト 1-4 サイレント モード 1-5 アラーム 1-6 機内モード 1-7 デバイス コントロール 1-8 ウォレット 1-9 自動回転 1-10 バッテリー セーバー 1-11 画面のキャスト 1-12 スクリーン レコード 1-13 ニアバイシェア 1-14 マイクへのアクセス 1-15 カメラへのアクセス ・位置情報 ・アクセスポイント ・色を反転 ・データセーバー ・ダークモード ・夜間モード ・さらに輝度を下げる ・ストレージ ・フォーカス モード ・お休み時間モード ・自動字幕起こし  名前の前に数字が付いているものがクイック設定の画面で表示される機能です。非表示にしたい場合は、該当の機能名の箇所を1本指ダブルタップします。  数字の付いていない機能名の箇所を1本指ダブルタップすると追加することができ、クイック設定の一覧に表示されます。  数字の付いている機能名の順序は並べ替えることができます。該当の機能名の箇所でTalkBackメニューを開き、「操作」の箇所を1本指ダブルタップします。 「タイルを移動」の箇所を1本指ダブルタップします。 移動したい番号の箇所を1本指ダブルタップすると完了です。  順序や表示される機能をデフォルトに戻したい場合は、 「その他のオプション」ボタンを1本指ダブルタップして、 「リセット」の箇所を1本指ダブルタップします。 ______________________________________ ■■チャプター18 ホーム画面のカスタマイズ、アプリの削除と移動、ウィジェットの追加  ホーム画面にはアプリのショートカットやウィジェットのアイコンを追加したり、削除することができます。また、その配置場所を変更できます。よく使用するアプリは見つけやすい場所に配置しておくと便利です。ここではホーム画面アプリ、Pixel Luncherのカスタマイズ方法について紹介します。 ______________________________________ ■18-1 ホームのアイコンを利用してメニューを表示  ホーム画面のカスタマイズ関連のメニューを表示させるには、ホーム画面上の「ホーム」と読み上げられるアイコンを利用します。「ホーム」の箇所にTalkBackの操作フォーカスを合わせます。メニューを呼び出すには二つの方法があります。 1. TalkBackメニューを開き、「操作」の箇所を1本指ダブルタップします。 2. ●「1本指のダブルタップ&ホールド」 (TalkBackがオフの環境では長押し)  ここでは、「1. TalkBackメニューを開き、「操作」の箇所を1本指ダブルタップ」の方法について紹介します。  次のメニューが表示されます。 ・アプリのリスト ・ホームの設定 ・ウィジェット ・壁紙とスタイル ______________________________________ ■18-1-1 アプリのリスト  「アプリのリスト」を1本指ダブルタップすると、検索フィールドにつづいて、インストールされているアプリの一覧が表示されます。これはホーム画面で2本指の上スワイプをしたときと同じ画面です。  アプリ名の箇所を1本指ダブルタップすると、そのアプリが開きます。アプリ名の箇所でTalkBackメニューを開くと、次のメニューが表示されます。 ・ショートカットと通知 ・アンインストール ・ホーム画面に追加  デフォルトでは、アプリをインストールしたときにホーム画面にそのアイコンが表示されるようになっています。もしホーム画面に自動的に追加しない設定にしている場合は、「ホーム画面に追加」の箇所を1本指ダブルタップすることで、ホーム画面にアプリのアイコンが表示されます。  アプリをインストールしたときにホーム画面に追加するかどうかの設定は、後述する「ホームの設定」を参照してください。  「アンインストール」はアプリをスマートフォンから削除します。アプリによってはアンインストールできない種類があるので、それらのアプリでは「アンインストール」のメニューは表示されません。  アプリ名の箇所で1本指のダブルタップ&ホールド、長押しすると、次のメニューが表示されます。 ・アプリ情報 ・アプリを一時停止  ちなみに、長押しした後に指を画面に着けたままアイコンをドラッグすると、アプリをホーム画面上に追加することができます。これはTalkBackがオフの環境でも使える操作法です。 ______________________________________ ■18-1-2 ホームの設定  ホーム画面のデザインをカスタマイズします。「ホームの設定」の箇所を1本指ダブルタップします。次の項目が表示されます。 ・通知 切り替えボタン ・At A Glance 切り替えボタン ・カスタマイズ ボタン ・ホーム画面にアプリのアイコンを追加 切り替えボタン ・スワイプでGoogleアプリにアクセス 切り替えボタン ・概要での候補の表示 切り替えボタン ・候補「すべてのアプリとホーム画面内の候補表示」 ・スマートフォンの検索 ・ホーム画面の回転を許可 切り替えボタン ・概要  よく使う項目としては、  「At A Glance」をオフにすると、天気などのウィジェットが非表示なります。  「ホーム画面にアプリのアイコンを追加」の切り替えボタンをオフにすると、アプリをインストールしても、そのショートカットが自動的にホーム画面に追加されることはありません。ホーム画面を乱雑にしたくないのであればオフにしておくとよいでしょう。インストールしたアプリはアプリのリストを引き出せば確認できます。また、必要なアプリのショートカットのみをホーム画面に追加表示させることもできます。  「スワイプでGoogleアプリにアクセス」の切り替えボタンをオフにすると、ホーム画面の1ページ目から2本指で右スワイプしても、Google Discoverの画面は表示されません。 ______________________________________ ■18-1-3 ウィジェット  ウィジェットをホーム画面に追加しておくと、アプリを開かなくても情報を表示してくれます。予定やニュースを閲覧するのに活用されています。  「ウィジェット」の箇所を1本指ダブルタップします。検索フィールドにつづけて、アプリの名前が一覧表示されます。TalkBackはアプリ名の後にホーム画面に追加可能なウィジェット、ショートカットの数を読み上げます。  内容を表示するには「折りたたまれています」という箇所を1本指ダブルタップします。ウィジェットのサイズなどを確認できます。非表示にするためには「展開されています」という箇所を1本指ダブルタップすると、内容は折りたたまれます。  ウィジェットをホーム画面に追加する手順は、 1. ホーム画面に追加したいアプリの内容を展開表示します。追加したいウィジェットの箇所でTalkBackメニューを開き、「操作」の箇所を1本指ダブルタップします。 2. 「ホーム画面に追加」の箇所を1本指ダブルタップします。  ホーム画面を開いて追加されたことを確認してみてください。ショートカットを追加する手順も同じです。 ______________________________________ ■18-1-4 壁紙とスタイル  ホーム画面とロック画面の壁紙を変更できます。「壁紙とスタイル」の箇所を1本指ダブルタップします。ダークモードの切り替えボタンもメニューの中に含まれています。  「アプリグリッド」という項目は、ホーム画面に配置するアイコンの数を変更することができます。アイコンの数が少ない方が操作しやすいという人は、ここをカスタマイズしておくと便利です。  「アプリグリッド」の箇所を1本指ダブルタップすると、 5x5 4x4 4x5 3x3 2x2  好みの列数x行数を1本指ダブルタップで選んだら、「適用」ボタンを1本指ダブルタップして変更を完了します。 ______________________________________ ■18-2 ホーム画面からアイコンを削除する  アプリとウィジェットのアイコンをホーム画面から取り除く方法は同じです。ホーム画面を開いて、削除したいアイコンに操作フォーカスを合わせます。TalkBackメニューを開き、「操作」の箇所を1本指ダブルタップします。 ・ショートカットと通知 ・削除 ・アンインストール ・アイテムを移動 ・サイズを変更 ・キャンセル  「削除」を1本指ダブルタップすると、ホーム画面からアイコンが消えます。単にアイコンが消えるだけなので、再びホーム画面に表示したければ、アプリやウィジェットのリストから追加します。 ______________________________________ ■18-3 ホーム画面のアイコンを移動する  ホーム画面上のアイコンは好きな場所に移動できます。複数のアプリをフォルダにまとめることも可能です。 1. ホーム画面を開いて、移動したいアイコンに操作フォーカスを合わせます。TalkBackメニューを開き、「操作」の箇所を1本指ダブルタップします。 2. 「アイテムを移動」の箇所を1本指ダブルタップします。 3. 移動先の箇所に操作フォーカスを合わせます。1本指の右スワイプや左スワイプでもよいですし、ドラッグ、画面に着けたままの指を滑らせてもよいです。 4. 移動したい箇所で1本指ダブルタップすると、アイコンの移動が完了します。  別のページに移動したい場合は、2本指の左スワイプや右スワイプでページを切り替えてから移動先を選びます。  左または右スワイプ、ドラッグのジェスチャーで移動先を選ぶときには、TalkBackが行と列の番号を読み上げてくれます。 ______________________________________ ■18-4 フォルダで管理する  ホーム画面にフォルダを作成し、類似のアプリをまとめて入れておくと管理しやすくなります。  アプリを移動するのと同じ手順です。移動先を選ぶときには同じフォルダにまとめたいアプリのアイコンの箇所で1本指ダブルタップします。これでフォルダが新規作成されて、二つのアプリが入ったことになります。  アプリを既存のフォルダに追加するときは、移動先のフォルダの箇所で1本指ダブルタップします。  新規作成したフォルダには名前は付けられていません。フォルダの中を表示すると、名前をタイプする編集ボックスが用意されています。 ______________________________________ ■18-4-1 ホーム画面からフォルダの中身を表示する ホーム画面上のフォルダの中を表示するには、アプリを起動するのと同じジェスチャである1本指ダブルタップを行ないます。  フォルダの中から直前のホーム画面に戻るには、ホーム画面を開く操作をします。あるいは「戻る」のジェスチャーを行います。 ______________________________________ ■18-4-2 フォルダの削除、フォルダの外へアイコンを移動する  ホーム画面上のフォルダは他のアイコンと同じ手順で移動したり削除することができます。フォルダを削除すると、中にあるアプリのアイコンもホーム画面から消えることとなります。  フォルダ内では、アプリのアイコンの位置を移動することもできます。フォルダ内のアプリ名の箇所でTalkBackメニューを開くと、次のメニューが表示されます。 ・ショートカットと通知 ・削除 ・アンインストール ・アイテムを移動 ・ホーム画面に移動  二つのアプリが入っているフォルダの場合、一つのアプリを「ホーム画面に移動」すると、そのフォルダは消えます。ホーム画面上には二つのアプリのアイコンが表示されます。  ちなみに、長押しした後に指を画面に着けたままアイコンをドラッグすると、フォルダ内での場所移動やホーム画面に移動させることができます。これはTalkBackがオフの環境でも使える操作法です。 ______________________________________ ■■チャプター19 そのほかの便利なジェスチャー  これまでに紹介してきたジェスチャーを使いこなせるようになれば、Pixelを快適に操作できるようになると思います。ここからはさらにスムーズに、より便利に使えるジェスチャーや使い方について紹介します。 ______________________________________ ■19-1 音楽やビデオを一時停止・再生するジェスチャー  音楽・ラジオ・ビデオなどの一時停止と再生にはジェスチャーが利用できます。 ●「2本指のダブルタップ」 (マルチフィンガー・ジェスチャー) 電話の応答や切断にも利用されているジェスチャーです。 ______________________________________ ■19-2 数値を変更するスライダーの操作  音量や音楽などのメディアのトラックの位置(再生位置)を変更するには、スライダーを動かしてその数値を調整することができます。クイック設定の中ではディスプレイの明るさを調整できます。  数値を大きくするには三つの方法があります。まず数値の調整スライダーの箇所に操作フォーカスを合わせます。 1. 音量アップボタンのクリック 2. ●「1本指の上スワイプ」 3. ●「往復ジェスチャー 右へ左へ」 1本指で右に向けて指を滑らせて、画面に着けたままの指を左へスワイプします。  数値を小さくするには、 1. 音量ダウンボタンのクリック 2. ●「1本指の下スワイプ」 3. ●「往復ジェスチャー 左へ右へ」 1本指で左に向けて指を滑らせて、画面に着けたままの指を右へスワイプします。  もう一つの方法があります。数値の調整スライダーの箇所に操作フォーカスを合わせて、その箇所を1本指でダブルタップ&ホールド、長押しします。画面にタッチしたままの指を右か左に滑らせると、数値を変更できます。 ______________________________________ ■19-3 直前に読み上げた内容をクリップボードにコピーする  直前に読み上げた内容を文字情報としてクリップボードにコピーします。その内容をメール本文やメモアプリなど、テキストフィールドに貼り付ければ、コピー&ペーストを簡略化してくれることになります。 ●「3本指のダブルタップ」 (マルチフィンガー・ジェスチャー)  マルチフィンガー・ジェスチャーが使えない端末では、TalkBackメニューを開き、「最後に読み上げたフレーズをコピー」の箇所を1本指ダブルタップします。 ______________________________________ ■19-4 下に引っ張って内容を更新する  アプリによっては画面に表示されている内容が自動的に変化しない場合、手動で更新させて最新情報を表示させることができます。 ●「2本指の下スワイプ」 画面をスクロールするジェスチャーでもありますが、画面を下に引いて内容を更新、引っ張って更新できる場面で使えるジェスチャーでもあります。  たとえばChromeアプリではウェブページを更新します。ただし、操作フォーカスが位置している箇所によっては動作しないので、その場合は別の箇所に操作フォーカスを移動させて試してください。 ______________________________________ ■19-5 アイテムに名前をつける「カスタムラベル」  アプリによってはボタン類などのアイテムに名前が付けられていないものがあります。そんなときにユーザが好きな名前をつける機能があります。ただし、操作フォーカスを合わせたときに「ラベルなし」と読み上げられるアイテムに限られます。TalkBackはヒントとして「ラベルを使用できます」とアナウンスします。  「ラベルなし」というアイテムに操作フォーカスを合わせてTalkBackメニューを開きます。 「ラベルを追加」の箇所を1本指ダブルタップします。 編集ボックスに好みの名前をタイプします。 「OK」ボタンを1本指ダブルタップして完了です。  名前を変更したければ、再び「ラベルを追加」する手順で編集ボックスが開きます。  作成したカスタムラベルはTalkBackの設定画面で管理できます。TalkBackメニューを開き、「TalkBackの設定」→「詳細設定」→「カスタムラベル」と進みます。次のメニューが表示され、その下に作成したカスタムラベルの一覧が表示されます。 ・カスタムラベルをインポート ・カスタムラベルをエクスポート ・インポートしたラベルを元に戻す  作成したカスタムラベルの箇所を1本指ダブルタップすることでも、編集ボックスが開いて書き換えできます。 ______________________________________ ■19-6 画面検索  画面内の文字を検索します。 ●「直角ジェスチャー 左へ下へ」 編集ボックスに検索キーワードをタイプします。 結果が表示されるので、結果の箇所を1本指ダブルタップすると、操作フォーカスはそのアイテムに移動します。 ______________________________________ ■19-7 音声コマンド  TalkBackの操作コマンドを音声でリクエストします。すべてのコマンドリストを確認するには「ヘルプ」と伝えます。 ●「直角ジェスチャー 右へ上へ」 TalkBack 音声コマンドを使用する - Android のユーザー補助機能 ヘルプ https://support.google.com/accessibility/android/answer/10449331?hl=ja ______________________________________ ■19-8 項目の順序を並べ替える  クイック設定など、アプリによっては項目の順序を並べ替えることのできる場面があります。クイック設定の場合は、「設定の順序を編集します」の画面で操作できます。 (補足)■17-2 クイック設定で表示する機能を追加・削除する では、TalkBackメニューを開いてから並べ替えの操作をしました。  それとは別の方法として、並べ替えたい項目を1本指でダブルタップ&ホールドしてドラッグ、つまり長押しして画面に着けたままの指を滑らせてから離すことでも、並べ替えはできます。これはTalkBackがオフの環境でも使える操作法です。 (補足終わり) ______________________________________ ■19-9 パススルー・システム・ジェスチャー  TalkBackがオンの状態ではジェスチャーを受け付けてくれない場面があります。そんな場合は標準ジェスチャーを利用することになりますが、いちいちTalkBackをオフにして操作するのも面倒です。そんなときには、このジェスチャーを行った後に標準ジェスチャーを行ないます。 ●「4本指のダブルタップ&ホールド」 (マルチフィンガー・ジェスチャー) ______________________________________ ■19-10 ウインドウの切り替え  画面内で「ウインドウ」として区分けされている箇所に操作フォーカスを移動します。 ●「4本指の上スワイプまたは下スワイプ」 (マルチフィンガー・ジェスチャー) ______________________________________ ■■チャプター20 カメラを使ってみよう  Pixelではカメラによる写真とビデオの撮影ができます。本体の背面と前面にレンズが配置されています。製品によってレンズの数や性能は異なり、背面のカメラは画素数が高いのできれいな写真を記録できます。前面のカメラでは自分撮り(セルフィー)やビデオ通話などに適しています。  カメラアプリを開くにはいくつかの方法があります。 1. ホーム画面のカメラアプリのアイコンを1本指ダブルタップ 2. ●「電源ボタンを2回クリック」 この設定は変更できます。設定アプリを開いて、「システム」→「ジェスチャー」→「カメラをすばやく起動」のオン・オフ切り替えボタンをオンにします。 同じメニュー画面には「ひねる動作で前後のカメラを切り替え」という切り替えボタンがあります。ここをオンにしておくと、本体を2回ひねることで前面カメラと背面カメラを交互に切り替えることができ、振動によるフィードバックがあります。  写真を撮影する画面では、主なボタン類は下部に配置されています。前面カメラと背面カメラの切り替え、モード切替、シャッターボタンなど。  2本指の左スワイプまたは右スワイプで、動画カメラ、ポートレートモードなど、撮影モードを切り替えることもできます。 ______________________________________ ■20-1 写真を撮影する操作  「写真を撮る」ボタンを1本指ダブルタップすると撮影します。また、1本指のダブルタップ&ホールドでは、指を画面から離したときに撮影されます。このジェスチャーは手振れを防いだり、適切なタイミングで撮影したいときに利用すると役立ちます。  動画モードでは、「動画の開始」ボタンと「動画の停止」ボタンを1本指ダブルタップします。  TalkBackがオフの環境では、音量ボタンで写真撮影や録画の操作ができます。カメラアプリの画面で、「オプションメニューを開く」→「設定を開く」→「ジェスチャー 音量ボタンの操作」と進み、メニューの中から「シャッター」を選択しておきます。 ______________________________________ ■20-2 オートフォーカスと顔検出機能  撮影したい被写体にカメラを向けておくとオートフォーカス機能が働き、自動的にピントが調整されます。  また、被写体に人物の顔が含まれている場合は、その人数や画面の中での顔の位置を読み上げてくれます。 ______________________________________ ■20-3 スクリーンショットを撮影する  表示している画面を写真として記録することができます。カメラアプリだけでなく、スクリーンショットはすべての画面で撮影できます。TalkBack環境で画面を非表示にしている人は、画面を表示させる必要があります。 ●「電源ボタンと音量ダウンの同時クリック」 二つのボタンを同時にクリックします。シャッター音が聞こえます。 ______________________________________ ■20-4 撮影した写真を表示する  撮影した写真はカメラアプリの中で「フォト ギャラリー」ボタンを1本指ダブルタップすると一覧表示されます。フォトアプリを開いても同じ画面になります。  「ライブラリ」ボタンを1本指ダブルタップするとアルバムが一覧表示されますが、Screenshotsのアルバムはここで確認できます。  デフォルトではクラウドサービスのGoogle フォトにアップロードされるようになっているので、Windowsなどのパソコンでも閲覧できます。 Google Photos https://www.google.com/photos/about/ ______________________________________ ■20-5 写真に説明分を加える  撮影した写真はフォトアプリで閲覧できますが、画面が見えないユーザにとっては撮影した日時を頼りに目的の写真を探すことになります。位置情報を自動的に加える機能もありますが、それにプラスして説明分を加えておくと便利になります。説明文の内容をキーワードにして検索することが可能になります。  スマートフォンでの操作が面倒であると感じたら、パソコン側で説明文を加えることもできます。  まずフォトアプリを開き、説明文を着けたい写真のタイトルを1本指ダブルタップします。写真がフルスクリーン表示されます。 「その他の設定」の箇所を1本指ダブルタップして、 「説明を追加してください」の箇所を1本指ダブルタップします。 すると編集ボックスが現れるので、テキストをタイプします。  追加された説明文を確認するには、同じ手順で写真のフルスクリーン画面から「その他の設定」の箇所を1本指ダブルタップします。  iOSのGoogle フォトアプリでは、写真の一覧表示画面で撮影日時の後に説明文を表示します。 ______________________________________ ■■チャプター21 レコーダーアプリで録音と文字起こし  「レコーダー」アプリを使えば、Pixelのマイクを利用して音声録音ができます。特徴的なのは、録音した内容を文字に書き起こしてくれる機能も備えていることです。自分の声や周囲の会話だけでなく、Pixelでバックグラウンド再生させている音データも録音して文字化してくれます。  「レコーダー」アプリを開くと、トップ画面のレイアウトはシンプルです。 ・画面の最上部に検索の編集ボックス ・右上に「アカウントと設定」 ・録音したファイルの一覧 ・画面の最下部に「録音」ボタン ■ 録音と再生  「録音」ボタンを1本指ダブルタップすると、録音が始まります。画面の最下行に三つのボタンが表示されます。左から、 ・削除 ・一時停止 ・保存  「保存」ボタンでは、録音を終了してファイル保存も完了します。  「一時停止」ボタンでは、録音を再開できるだけでなく、タイトルの入力や場所を追加することもできます。  再生するには、「レコーダー」アプリのトップ画面に一覧表示されている録音ファイルを選びます。1本指の右スワイプか左スワイプでアイテムを移動すると、同じファイル名が二つあります。  タイトルの後に「再生」ボタンがあるファイルを1本指ダブルタップすると、画面はそのままで音声が再生されます。  「再生」ボタンのないファイル名の箇所を1本指ダブルタップすると、再生コントローラなどが表示される再生画面に切り替わります。  「その他のオプション」を開くと削除ボタンが現れます。 ■ 文字起こしの言語を変更する  「レコーダー」アプリのトップ画面の右上に「アカウントと設定」あるいは「ログインしたアカウント」と読み上げる箇所があります。ここを1本指ダブルタップします。つづいて「レコーダーの設定」の箇所を1本指ダブルタップします。  「音声文字変換の言語」の箇所を1本指ダブルタップして「日本語」を選びます。ダウンロードする必要があれば問い合わせが表示されるので、ダウンロードしてください。これで文字起こしの言語は日本語に変更されます。 ■ 再生画面で文字起こし  録音中または再生画面では音声ビューと文字起こしビュー、二つのモードに切り替えることができます。ここでは再生画面で試してみましょう。  画面の下部にある「文字起こしビューに切り替えます」という箇所を1本指ダブルタップすると、音声認識された文字が画面の上部に表示されます。  「その他のオプション」でメニューを開き、「共有」を選ぶと、文字起こしされたデータをエクスポートすることができます。 ______________________________________ ■■チャプター22 アプリをダウンロードするアプリ「Play ストア」  アプリを追加したりアップデートするには「Play ストア」アプリを利用します。お勧め、ランキング、カテゴリなどに分けて一覧表示してくれますが、キーワード検索することもできます。  「Play ストア」アプリを開くと、トップ画面では右上に検索ボタンが表示されています。  「アプリやゲームを検索する」の箇所は編集ボックスを開き、文字入力できます。  「音声検索」ボタンは音声入力で検索できます。  無料アプリは「インストール」ボタンが、有料アプリは価格が表示されます。 ■ アプリのアップデート  「Play ストア」アプリのトップ画面の右上に「アカウントと設定」あるいは「ログインしたアカウント」と読み上げる箇所があります。ここを1本指ダブルタップします。支払い情報など、設定をカスタマイズできるメニューが表示されます。  「アプリとデバイスの管理」の箇所を1本指ダブルタップします。「概要」タブが選択状態になっていれば、アップデートできるアプリの数と、「すべて更新」ボタンが表示されます。  アップデートできるアプリの名前を確認するには、「詳細」ボタンまたは利用できるアップデートの数の箇所を1本指ダブルタップします。 ______________________________________ ■■チャプター23 セキュリティのために指紋認証やピンを利用する  Pixelをスリープ状態からロック解除するとき、他人に操作されないようにするためにパスコードで保護することができます。  設定アプリを開いて、「セキュリティ」→「画面ロック」の中で保護する方法を指定します。 ・なし ・スワイプ 指でなぞる ・パターン 指でオリジナルのパターンを描く ・ピン 4桁以上の数字 ・パスワード 4文字以上の英数字。  好みの方法を選択できます。一般的に利用しやすいのはピン、数字で暗証番号を設定することです。  ピンを入力する場面では画面の下部に数字キーが表示されますが、タッチ&リリースでの入力となります。数字を入力し終えたら、「入力」ボタンをタッチ&リリース、あるいは1本指ダブルタップする必要があります。「入力」ボタンは数字の9の下に位置します。 ______________________________________ ■23-1 指紋による認証  指紋センサーを利用すれば画面ロックを解除するときなどに利用できます。指紋センサーは本体の背面またはディスプレイ上にありますが、Pixel 6シリーズではディスプレイ上で画面下部がセンサーとして働きます。登録できる指紋の数は五つです。  指紋を利用するには前述の方法でピンやパスワードを設定しておく必要があります。  指紋を登録するには設定アプリを開いて、「セキュリティ」→「指紋認証によるロック解除」→「指紋を追加」で行ないます。TalkBack環境では、指をタッチするタイミングなどは音声ガイダンスで指示してくれるので、安心して登録作業は行えます。  Pixel 6では指紋センサーがディスプレイ上にありますが、指で画面の下部を滑らせていると振動と音声アナウンスにより指紋センサーの位置を案内してくれます。 ______________________________________ ■■チャプター24 PCとUSB接続してファイルを転送する  PCとPixelをUSBケーブルでつなぐと、ファイルの転送を行なえます。PC側でコピー&ペーストの操作が簡単にできるので、音楽や写真などのファイルの送受信が楽になります。  デフォルトではケーブルをつないだときに充電が始まる設定になっています。まずはケーブルをつないで、設定を変更する必要があります。通知シェードを開き、 「このデバイスをUSBで充電中」の箇所を1本指ダブルタップします。  次にUSBの接続用とを選びます。 「ファイル転送」の箇所を1本指ダブルタップします。  これでPixelを外部ストレージとして扱えるようになります。 ______________________________________ ■■チャプター25 Pixel本体の強制再起動とセーフモードについて  いろいろなアプリを実行していると、Pixelの動きが遅くなってしまうことがあります。ときにはTalkBackの反応が遅くなることもあります。そんなときにはPixel本体の強制再起動が有効な解決方法となります。  また、セーフモードで起動すると、初期状態のアプリだけを起動させることができます。これは、ユーザがインストールしたアプリにより不具合が発生していないかを確認するために利用されています。 ______________________________________ ■25-1 強制再起動の方法  Pixel 6シリーズでは、電源ボタンと音量アップボタンの同時長押し、30秒です。  Pixel 5a以前では、電源ボタンの長押し、30秒です。  電源が切れて、自動的に再起動します。 ______________________________________ ■25-2 セーフモードの起動方法  セーフモードで起動されると、機内モードになります。初期状態でインストールされていたアプリしか動かず、自分でインストールしたアプリに操作フォーカスを合わせると「無効です」と読み上げられます。 1. 電源オプションを表示して、「電源を切る」または「再起動」ボタンを長押し、1本指でダブルタップ&ホールドします。 「再起動してセーフモードにしますか?」という問い合わせが表示されるので、「OK」ボタンを1本指ダブルタップします。 2. 電源がオフの状態から電源をオンにします。画面が見えているとGoogleのロゴに続いてアニメーションが表示されるので、音量ダウンボタンを長押しします。 画面が見えていなければ、電源ボタンを押して振動を確認したら、すぐに音量ダウンボタンを長押しするとよさそうです。 長い振動の後にTalkBackの読み上げを確認できたら、セーフモードで起動しています。  セーフモードから通常モードに戻すには、Pixel本体を再起動します。 ______________________________________ ■■チャプター26 本体を出荷時の状態にリセットする  Pixelをリセット、出荷時の状態に戻す操作について紹介します。 1. 設定アプリを開いて、「システム」→「リセットオプション」→「全データを消去」の箇所を1本指ダブルタップします。 2. 「すべてのデータを消去」の箇所を1本指ダブルタップします。 ガイダンスに従って操作を進めます。 操作が完了したら、自動的に再起動します。 3. 再起動するとTalkBackはオフの状態です。そこで、TalkBackをオンにする必要があります。音量アップと音量ダウンの二つのボタンを同時に3秒長押しします。音声が聞こえますが、もう一度音量ボタン二つを同時に長押しするように案内されます。 4. TalkBackがオンになりました。  「次へ」ボタンを1本指ダブルタップします。  TalkBackのチュートリアルが始まります。 5. 画面の最下行に「次へ」ボタン、「前へ」ボタン、「閉じる」ボタンが表示されています。チュートリアルを終了する場合は「閉じる」ボタンを1本指ダブルタップします。 ここでは「閉じる」ボタンで次に進むことにしましょう。 6. 「電話の発信と管理をAndroidユーザー補助設定ツールに許可しますか」という問い合わせが表示されます。 「許可」ボタンを1本指ダブルタップします。 7. 「始める」ボタンを1本指ダブルタップします。 後はガイダンスにしたがって初期設定を続けていきます。 ______________________________________ ■■付録1 Android OSのアクセシビリティ機能について  Android OSにはTalkBack、音声読み上げ機能の他にも多くのアクセシビリティ機能が搭載されています。設定アプリを開いて、「ユーザー補助」の中を覗いてみましょう。ちなみに日本語では「ユーザー補助」と翻訳されていますが、英語では「Accessibility」という名称です。 Android ユーザー補助機能の概要 - Android のユーザー補助機能 ヘルプ https://support.google.com/accessibility/android/answer/6006564?hl=ja ■ スクリーン リーダー 「TalkBack」 画面上の文字や入力した文字も読み上げます。特有のタッチジェスチャーを利用することで、画面の見えないユーザもAndroidスマートフォンを操作できます。 ■ 表示 「テキストと表示」 文字を見やすくするためにカスタマイズします。 ・フォントサイズ ・表示サイズ ・太字 ・色補正 ・色反転 ・アニメーションを無効化 ・マウスポインタを拡大 ・高コントラストテキスト 「さらに輝度を下げる」 スマートフォンで設定できる最低限の明るさよりも画面を暗くします。 「・ダークモード」 オンにすると、黒字の背景を使用します。 「拡大」 ズーム機能を利用します。 「選択して読み上げ」 範囲選択した文字列を音声で読み上げます。普段はTalkBackを必要としない人向けの機能です。 ■ 操作のコントロール 「ユーザー補助機能メニュー」 よく使う機能をすぐにメニュー表示させたいときに利用します。「ユーザー補助機能メニュー」というアイコンを画面の隅に表示します。 「Voice Access」 音声コマンドでスマートフォンを操作します。2022年2月現在、日本語の音声コマンドは利用できません。 「スイッチアクセス」 スイッチを使ってスマートフォンを操作します。 「タイミングの管理」 長押しの時間、操作までの時間、自動クリックについてカスタマイズします。 「・システム操作」 次のことを設定します。 ・システムナビゲーション ・片手モード ・電源ボタンで通話を終了 ・画面の自動回転 「バイブレーションとハプティクス」 着信時、通知時、触覚フィードバックの振動の強さを調整します。 ■ 字幕 「自動字幕起こし」 スマートフォンで再生しているメディアの音声や通話を文字化して表示します。通話の場合、相手には文字化することについて合成音声で伝えられます。  字幕はTalkBackで読み上げ可能ですが、表示される場所を探す手間があり、長文になると読み上げ確認するのが難しいです。 「・音声文字変換」 スマートフォンのマイクで聞き取った言葉を文字化します。  字幕はTalkBackで読み上げ可能ですが、表示される場所を探す手間があり、長文になると読み上げ確認するのが難しいです。 「字幕の設定」 字幕のオン・オフ切り替え、テキストサイズをカスタマイズします。 ■ 音声 「音声増幅」 再生中のメディア音声やスマートフォンのマイクで聞き取った音声の質を調整して、聞き取りしやすくします。 「音検出通知」 スマートフォンのマイクで特定の音を聴きとったときに通知します。 ・煙火災警報 ・サイレン ・赤ちゃんの声 ・犬の吠え越え ・ドアホンのベル ・ノックの音 ・家電の音 ・固定電話の着信音 ・流水 「補聴器」 対応する補聴器の設定をします。 「音声の調整」 モノラル音声、左右バランスの調整をします。 ■ 全般 「ユーザー補助機能のショートカット」 ユーザー補助機能ボタンのアイコンのサイズなどを調整します。 「ロック画面からのショートカット」の切り替えボタンをオフにすると、ロック画面では音量ボタン二つの同時押しでショートカットは動作しなくなります。 「テキスト読み上げの設定」 TTS(テキスト・トゥ・スピーチ)の種類の変更、読み上げ速度、声のピッチなどを調整します。 ______________________________________ ■■付録2 TalkBackの設定メニュー  TalkBackをカスタマイズするメニューを覗いてみましょう。TalkBackメニューを開き、「TalkBackの設定」を1本指ダブルタップします。あるいは、設定アプリを開いて、「ユーザー補助」の中からも選べます。 「TalkBackの新機能」 バージョンアップの内容についてチュートリアルで解説します。 「テキスト読み上げの設定」 TTS(テキスト・トゥ・スピーチ)の種類の変更、読み上げ速度、声のピッチなどを調整します。 「読み上げの詳細設定」 読み上げる内容をカスタマイズします。 「パスワードの読み上げ」の切り替えボタン 次のどちらかを選べます。 ・パスワードを常に読み上げる ・ヘッドホンの使用時の実パスワードを読み上げる 「音とバイブレーション」 TalkBackの操作フォーカスを移動するときなど、効果音と振動によるフィードバックをオン・オフ切り替えできます。また、音のフィードバックの音量も調整できます。 「ほかの音量を下げる」の切り替えボタンをオンにすると、音楽などを聴いているときにTalkBackの読み上げが始まると、音楽の音量は小さくなります。つまり、読み上げ音声を聞き取りやすくなります。 「ピントインジケータのカスタマイズ」 TalkBackの操作フォーカスの色や枠線の太さをカスタマイズできます。 「ジェスチャーをカスタマイズ」 タッチジェスチャーの一覧、機能の割り当てをカスタマイズできます。 「メニューをカスタマイズ」 TalkBackメニューと読み上げコントロールをカスタマイズできます。 「点字キーボード」 「近接センサーを覆って読み上げを停止する」の切り替えボタンオンにすると、画面上部の近接センサーを手で覆うことで読み上げを停止します。 「チュートリアルとヘルプ」 「詳細設定」 「Play ストアでTalkBackを起動」ボタン ______________________________________ ■付録2-1 テキスト読み上げの設定  TalkBackの音声は、Pixelを初期設定した時に選んだ言語の声になります。日本語で読み上げるのは、システム言語が日本語に設定されているからです。ただし、Pixelのモデルによっては日本語の音声データがプリインストールされていないので、インターネットに接続しないとダウンロードされません。  ここでは、関連項目のカスタマイズができます。 ・優先するエンジン ・エンジンの設定 ・使用する言語 ・音声の速度 ・音の高さ デフォルトでは、Googleの音声サービスだけがテキスト読み上げエンジンとしてインストールされています。その他のTTS(テキスト・トゥ・スピーチ)のエンジンを使いたい場合は、それをインストールした後で、「優先するエンジン」の項目で選んでください。 ______________________________________ ■付録2-1-1 設定メニュー  「設定」ボタンを1本指ダブルタップしてみましょう。Googleテキスト読み上げオプションが表示されます。 ・音声データをインストール ・Wi-Fi使用時のみ音声データをダウンロード 切り替えボタン ・読み上げの音量を増幅 切り替えボタン ・言語の検出 オフ/弱/強 ・匿名の使用状況レポート 切り替えボタン ・フィードバック ______________________________________ ■付録2-1-2 声の種類を変更する  Googleの音声サービスは多くの国の言語のデータが提供されています。また、同じ言語に複数の声の種類が用意されていることもあります。  音声データをダウンロードするには、Googleテキスト読み上げオプションの中で「音声データをインストール」の箇所を1本指ダブルタップします。任意の言語のデータをインストールでき、また、声の種類を選ぶことができます。  たとえば日本語の声の種類を変更してみましょう。言語名のリストの中から「日本語 日本」の箇所を1本指ダブルタップします。音声データはすでにインストールされているので、「音声パックを削除」ボタンが表示されています。削除しないように気を着けてください。  日本語は4種類の声から一つを選べるようになっています。サンプルテキストを再生するボタンを1本指ダブルタップすれば、声の様子を確認できます。ラジオボタンを選択状態にすることで、その声が指定されたことになります。 ______________________________________ ■付録2-2 読み上げの詳細設定  読み上げる内容をカスタマイズしますが、プリセットが「カスタム」になっていれば編集できます。プリセットには、高/カスタム/艇の三つが用意されています。 「使用に関するヒントの読み上げ」の切り替えボタン 操作フォーカスが移動したときに、実行できる内容がヒントとして読み上げられます。 「リストやグリッドの情報の読み上げ」の切り替えボタン 「画面に表示されるリスト項目の数を読み上げる」の切り替えボタン オンにすると、常にリストの数を読み上げます。 「要素タイプの読み上げ」の切り替えボタン オンにすると、操作フォーカスで移動したときのアイテムの要素を読み上げます。要素とはボタンやリンクなど、表示されているアイテムの種類です。 「画面オフ時も読み上げる」の切り替えボタン オンにすると、画面がオフでも通知を読み上げます。 「声の高さを変更」の切り替えホ段 オンにすると、編集ボックスで文字を削除したときに、その文字を高い声で読み上げます。 「表音文字の読み上げ」の切り替えボタン オンにすると、ソフトウェア・キーボードで文字を選ぶとき、フォネティック読みします。 「キーボード操作の読み上げ」(画面キーボード) ソフトウェア・キーボードで文字をタイプしたときのフィードバック方法を選びます。 ・なし ・文字 ・単語 ・文字と単語 「キーボード操作の読み上げ」(物理キーボード) 物理キーボードで文字をタイプしたときのフィードバック方法を選びます。 ・なし ・文字 ・単語 ・文字と単語 「大文字という」の切り替えボタン 大文字を通知する方法を選びます。 ・何もしない ・「大文字」という ・ピッチを変更する ・音を鳴らす 「要素 IDの読み上げ」の切り替えボタン オフにすると、ラベルの付けられていないアイテムは「ラベルなし」とだけ読み上げられます。 「句読点と記号」の切り替えボタン ______________________________________ ■付録2-3 ジェスチャーをカスタマイズ  TalkBackのタッチジェスチャーは割り当て機能を自由に変更することができます。2本指の上下左右スワイプについてはカスタマイズ不可になっています。  変更する場合は、「変更したいタッチジェスチャー」→「割り当てたい機能」→「OK」ボタンの順に1本指ダブルタップして完了です。  「ジェスチャーの設定をリセット」の箇所を1本指ダブルタップするとデフォルトの設定に戻ります。 ______________________________________ ■付録2-3-1 デフォルトで割り当てられている機能  デフォルトの割り当ては次のようになっています。 (空欄になっていれば、何も機能が割り当てられていないことを表します) ______________________________________ ■ 1本指のジェスチャー 「上にスワイプ」 操作フォーカスを前に戻すか、読み上げコントロールを上に調節する 「下にスワイプ」 操作フォーカスを次に進めるか、読み上げコントロールを下に調節する 「左にスワイプ」 前の項目 「右にスワイプ」 次の項目 ______________________________________ ■ 1本指の往復ジェスチャー 「上にスワイプしてから下にスワイプ」 前の読み上げコントロール 「下にスワイプしてから上にスワイプ」 次の読み上げコントロール 「左にスワイプしてから右にスワイプ」 後方スクロール 「右にスワイプしてから左にスワイプ」 前方スクロール ______________________________________ ■ 1本指の直角ジェスチャー 「上にスワイプしてから左にスワイプ」 ホーム 「上にスワイプしてから右にスワイプ」 TalkBackメニューを開く 「下にスワイプしてから左にスワイプ」 戻る 「下にスワイプしてから右にスワイプ」 TalkBackメニューを開く 「左にスワイプしてから上にスワイプ」 概要 「左にスワイプしてから下にスワイプ」 画面検索 「右にスワイプしてから上にスワイプ」 音声コマンドを開始 「右にスワイプしてから下にスワイプ」 通知 ______________________________________ ■ 2本指のジェスチャー 「タップ」 音声を一時停止または再開 「ダブルタップ」 メディアを再生または一時停止 「ダブルタップして長押し」 選択モードを開始または終了 「トリプルタップ」 次のアイテム以降を読み上げる 「トリプルタップして長押し」 「上にスワイプ」 上にスクロール 「下にスワイプ」 下にスクロール 「左にスワイプ」 左へスクロール 「右にスワイプ」 右へスクロール ______________________________________ ■ 3本指のジェスチャー 「タップ」 TalkBackメニューを開く 「ダブルタップ」 コピー 「ダブルタップして長押し」 切り取り 「トリプルタップ」 貼り付け 「上にスワイプ」 前の読み上げコントロール 「下にスワイプ」 次の読み上げコントロール 「左にスワイプ」 前の読み上げコントロール 「右にスワイプ」 次の読み上げコントロール ______________________________________ ■ 4本指のジェスチャー 「タップ」 ジェスチャーの練習 「ダブルタップ」 チュートリアルを開く 「ダブルタップして長押し」 パススルー・システム・ジェスチャー 「トリプルタップ」 「上にスワイプ」 前のウインドウ 「下にスワイプ」 次のウインドウ 「左にスワイプ」 「右にスワイプ」 ______________________________________ ■ 指紋認証センサー 「上にスワイプ」 「下にスワイプ」 「左にスワイプ」 「右にスワイプ」 ______________________________________ ■付録2-3-2 割り当て可能な機能  タッチジェスチャーには次の機能を割り当てることができます。 ■ 基本操作 タップ 長押し 前の項目 次の項目 画面上の最初の項目にフォーカス移動 画面上の最後の項目にフォーカス移動 前のウインドウ 次のウインドウ 後方スクロール 前方スクロール 上にスクロール 下にスクロール 左へスクロール 右へスクロール ■ システム操作 ホーム 戻る 概要(最近使用した項目、アプリ・スイッチャー) 通知 クイック設定 すべてのアプリ ユーザー補助機能のショートカット ユーザー補助長押しのショートカット ■ 読み上げ 最上部から読み上げる 次のアイテム以降を読み上げる 音声を一時停止または再開 TalkBack音声のON/OFFの切り替え 音声言語を変更 ■ メニューとコントロール TalkBack メニューを開く 前の読み上げコントロール 次の読み上げコントロール 操作フォーカスを前に戻すか、読み上げコントロールを上に調節する 操作フォーカスを次に進めるか、読み上げコントロールを下に調節する ■ テキスト編集 選択モードを開始または終了 コピー 切り取り 貼り付け 編集オプションを表示 点字キーボードに切り替え ■ その他 メディアを再生または一時停止 音声コマンドを開始 画面検索 パススルー・システム・ジェスチャー カスタム操作を表示 チュートリアルを開く ジェスチャーの練習 ______________________________________ ■付録2-4 メニューをカスタマイズ  TalkBackメニューと読み上げコントロールをカスタマイズできます。メニューに表示させたい項目はオンにしておきます。 ______________________________________ ■付録2-4-1 TalkBackメニュー 「現在のアイテムに対する操作」 操作 編集オプション リンク ページの操作 ラベルの追加 「ナビゲーション」 ナビゲーション ナビゲーションオプションを編集 「読み上げ」 最上部から読み上げる 次のアイテム以降を読み上げる 最後に読み上げたフレーズをコピー 最後に読み上げたフレーズのスペルを確認 最後に読み上げたフレーズを繰り返す 読み上げの詳細設定 音声の言語 他の音量を下げる 音によるフィードバック バイブフィードバック 「特別な機能」 画面検索 画面の表示、非表示 音声コマンド 「その他」 TalkBackの設定 テキスト読み上げの設定 システムアクション ______________________________________ ■付録2-4-2 読み上げコントロール ・文字 ・単語 ・行 ・段落 ・見出し ・コントロール ・リンク ・ランドマーク ・ウインドウ ・デフォルトのナビゲーション ・音声の速度 ・読み上げの詳細設定 ・句読点と記号 ・音声の言語 ・画面を非表示 ・他の音量を下げる ・スクロール ・ユーザー補助機能の音量 ______________________________________ ■付録2-5 点字キーボードで入力  六つの点で構成されている点字の特長を生かし、6本の指でタッチして文字入力する機能です。画面に表示されているキーボード上の文字を選ぶ必要はないので、慣れればストレス無くスピーディーに文字入力できる可能性があります。  ただし、2022年2月現在、日本語には対応していません。  TalkBackメニューを開き、「TalkBackの設定」→「点字キーボード」の中で設定します。 ■ セットアップ  「点字キーボードのセットアップ」の箇所を1本指ダブルタップします。 1. 「設定」ボタンを1本指ダブルタップします。 2. 「TalkBack 点字キーボード」の切り替えボタンをオンにします。 ソフトウェア・キーボードが表示されていれば点字キーボードに切り替えることができるようになります。 ナビゲーションバーの右端、画面の右下端にある「入力方法の切り替え」ボタンを1本指ダブルタップすると、使用できるキーボードの種類が一覧表示されます。その中から点字キーボードを選択します。あるいはソフトウェア・キーボード上の「次の言語」の箇所を1本指ダブルタップすることでも切り替えることができます。 初めて点字キーボードを表示させるとチュートリアルを開始します。 画面の下部には「点字キーボードの終了」ボタンと「次へ」ボタンが表示されます。 「次へ」ボタンを1本指ダブルタップするとガイダンスにしたがって使い方を学ぶことができます。このときPixelは横向き表示になり、USB-Cコネクタを右側に向けます。 もし途中でチュートリアルを終了したければ3本指で下スワイプします。 ■ 点字キーボードの使い方  設定メニューを覗いてみましょう。TalkBackメニューを開き、「TalkBackの設定」→「点字キーボード」を表示させます。 「入力言語」 使用する言語を選択します。 ・アラビア語 ・スペイン語 ・統一英語点字 「すべての操作を確認」 ジェスチャーの説明。 「レイアウト」 Pixelの持ち方を指定します。 ・デバイスの持ち方に合わせる。 ・画面裏返しモード ・テーブルトップモード 「押されたドットをすべて含める」 切り替えボタン 「ドットを反転させる」 切り替えボタン ______________________________________ ■付録2-5-1 点字キーボードを呼び出す  ソフトウェア・キーボードが表示されている状態で点字キーボードに切り替えるには、「次の言語」または「入力方法の切り替え」ボタンを利用します。  点字キーボードから別のキーボードに切り替えるには、3本指の下スワイプを行います。 ______________________________________ ■付録2-5-2 画面裏返しモードとテーブルトップモード、レイアウトについて  点字キーボードで文字入力するときは、Pixelを横向きにします。二つのスタイルで点字入力することができます。  机の上に置く場合はテーブルトップモードです。USB端子側を左側に向けます。デフォルトでは、左手の人差し指が1の点、右手の人差し指が4の点で、パーキンスブレーラーのように指を横に揃えておきます。  写真撮影のように両手で抱えて持つ場合は画面裏返しモードです。USB端子側は右側を向けます。デフォルトではそれぞれの指を縦に置き、人差し指が上、薬指が下になります。  レイアウトはPixelの向きに応じて自動的に切り替えることもできますが、どちらか一つに指定しておくこともできます。 ______________________________________ ■付録2-5-3 ドット位置を後進する  指の配置、ドットの位置を変更することができます。6本の指で長押しすると、ピッピッピッという効果音と音声アナウンスが聞こえます。指を置いた位置がそのまま記録されることもありますが、左指3本、右指3本を順に置くようにガイドされることもあります。 ______________________________________ ■付録2-5-4 点字画面入力モードで利用できるジェスチャ ●「1. 1本指の右スワイプ」 スペースを挿入します。 ●「1本指の左スワイプ」 削除します。 ●「2本指の右スワイプ」 改行します。 ●「2本指の左スワイプ」 単語を削除します。 ●「2本指の下スワイプ」 キーボードを非表示にします。 ●「3本指の下スワイプ」 次のキーボードに切り替えます。 ●「2本指の上スワイプ」 テキストを送信します。 ●「3本指の上スワイプ」 ヘルプやほかのオプションを表示します。 ______________________________________ ■付録2-6 詳細設定 「カスタムラベル」 ラベルなしのアイテムに名前を付けて管理します。 ■19-5 アイテムに名前をつける「カスタムラベル」 を参照してください。 「シングルタップで有効化」の切り替えボタン オンにすると、アイテムをアクティベートするときに1本指ダブルタップではなく、シングルタップで反応させることになります。TalkBackの読み上げ環境で操作している人はオフにしておく必要があります。 「説明する要素の順序」 アイテムを説明するときの順序を指定します。状態とは、ラジオボタンがオンかオフ かという状態を表します。 ・状態/名前/種類 ・種類/名前/状態 ・名前/種類/状態 「入力の設定」 文字入力の方法を指定します。 「キーボードショートカット」 物理キーボードによるショートカットキーの一覧、機能の割り当てをカスタマイズできます。 「デベロッパー向けの設定」 この中の項目はあまり変更しない方がよいでしょう。特に「タッチガイド」をオフにしてしまうと、TalkBackを頼りにしているユーザは操作が難しくなってしまいます。 ______________________________________ ■付録2-6-1 キーボードショートカット  物理キーボードをUSBケーブルまたはBluetoothで接続すれば、文字入力の他にもキーボードショートカットによりTalkBackを操作できます。  キーマップは「デフォルトキーマップ」と「クラシックキーマップ」の二つから選べます。  「就職キーを選択」することができ、「Alt」または「検索」のどちらかを指定します。  ショートカットはカスタマイズできるようになっており、「キーマップをリセット」をダブルタップすると、デフォルトの設定に戻ります。  機能とそれに対応するキーボードショートカットをデフォルトとクラシックの順に記します。該当のショートカットが存在しない箇所はn/aと表記しています。 ■ 移動 「次の項目」 Alt + 右矢印 Alt + Shift + 右矢印 「前の項目」 Alt + 左矢印 Alt + Shift + 左矢印 「上の項目」 Alt + 上矢印 n/a  「下の項目」 Alt + 下矢印 n/a 「最初の項目」 Alt + Ctrl + 左矢印 Alt + Shift + 上矢印 「最後の項目」 Alt + Ctrl + 右矢印 Alt + Shift + 下矢印 「次のウィンドウ」 Alt + Ctrl + 下矢印 n/a 「前のウィンドウ」 Alt + Ctrl + 上矢印 n/a 「次の単語」 Alt + Shift + Ctrl + 右矢印 n/a 「前の単語」 Alt + Shift + Ctrl + 左矢印 n/a 「次の文字」 Alt + Shift + 右矢印 n/a 「前の文字」 Alt + Shift + 左矢印 n/a 「クリック」 Alt + エンター Alt + Shift + エンター 「押し続ける」 Alt + Shift + エンター n/a ■ 全般操作 「戻る」 Alt + Del Alt + Shift + Del 「ホーム」 Alt + Ctrl + H Alt + Shift + H 「最近使ったアプリ」 Alt + Ctrl + R Alt + Shift + R 「通知」 Alt + Ctrl + N Alt + Shift + N 「メディアを再生または一時停止する」 Alt + Shift + スペース Alt + Shift + スペース 「次の読み上げコントロールを選択する」 Alt + Shift + Ctrl + 下矢印 Shift + Ctrl + 下矢印 「前の読み上げコントロールを選択する」 Alt + Shift + Ctrl + 上矢印 Shift + Ctrl + 上矢印 「読み上げコントロールを上に調整する」 Alt + Shift + 下矢印 Ctrl + 上矢印 「読み上げコントロールをしたに調整する」 Alt + Shift + 下矢印 Ctrl + 下矢印 ■ ナビゲーション 「次のナビゲーション設定」 n/a Alt + Shift + イコール 「前のナビゲーション設定」 n/a Alt + Shift + ハイフン ■ その他の操作 「最上部から読み上げる」 Alt + Ctrl + エンター n/a 「次の項目以降を読み上げる」 Alt + Shift + Ctrl + エンター n/a 「TalkBack メニューを表示」 Alt + スペース Alt + Shift + G 「操作の表示」 Alt + Ctrl + スペース n/a 「インストールした言語を表示」 Alt + Ctrl + L n/a 「画面で項目を検索」 Alt + Ctrl + スラッシュ Alt + Shift + スラッシュ 「TalkBackのオンとオフを切り替え」 Alt + Ctrl + Z Alt + Shift + Z 「TalkBack の読み上げを停止」 n/a Ctrl ■ ウェブ・ナビゲーション操作 「ボタン 次へ」 Alt + B n/a 「ボタン 前へ」 Alt + Shift + B n/a 「コントロール 次へ」 Alt + C n/a 「コントロール 前へ」 Alt + Shift + C n/a 「ARIA ランドマーク 次へ」 Alt + D n/a 「ARIA ランドマーク 前へ」 Alt + Shift + D n/a 「編集項目 次へ」 Alt + E n/a 「編集項目 前へ」 Alt + Shift + E n/a 「フォーカス可能項目 次へ」 Alt + F n/a 「フォーカス可能項目 前へ」 Alt + Shift + F n/a 「画像 次へ」 Alt + G n/a 「画像 前へ」 Alt + Shift + G n/a 「見出し 次へ」 Alt + H n/a 「見出し 前へ」 Alt + Shift + H n/a 「見出し1 次へ」 Alt + 1 n/a 「見出し1 前へ」 Alt + Shift + 1 n/a 「見出し2 次へ」 Alt + 2 n/a 「見出し2 前へ」 Alt + Shift + 2 n/a 「見出し3 次へ」 Alt + 3 n/a 「見出し3 前へ」 Alt + Shift + 3 n/a 「見出し4 次へ」 Alt + 4 n/a 「見出し4 前へ」 Alt + Shift + 4 n/a 「見出し5 次へ」 Alt + 5 n/a 「見出し5 前へ」 Alt + Shift + 5 n/a 「見出し6 次へ」 Alt + 6 n/a 「見出し6 前へ」 Alt + Shift + 6 n/a 「リストアイテム 次へ」 Alt + I n/a 「リストアイテム 前へ」 Alt + Shift + I n/a 「リンク 次へ」 Alt + L n/a 「リンク 前へ」 Alt + Shift + L n/a 「リスト 次へ」 Alt + O n/a 「リスト 前へ」 Alt + Shift + O n/a 「表 次へ」 Alt + T n/a 「表 前へ」 Alt + Shift + T n/a 「コンボボックス 次へ」 Alt + Z n/a 「コンボボックス 前へ」 Alt + Shift + Z n/a 「チェックボックス 次へ」 Alt + X n/a 「チェックボックス 前へ」 Alt + Shift + X n/a ______________________________________ ■付録2-6-1-1 TalkBackがオフの環境でのキーボードショートカット  設定アプリを開いて、「システム」→「言語と入力」→「物理キーボード」→「キーボードショートカット」と進むと、一覧を確認できます。 ______________________________________ ■付録2-6-1-2 文字入力のキーボードの種類を変更するショートカット  物理キーボードで半角アルファベットのキーボードを切り替えて使うには、Gboardの種類に英語キーボードを追加する必要があります。 設定アプリを開いて、「システム」→「言語と入力」→「画面キーボード」→「Gboard」→「言語」→「キーボードを追加」→「英語」と進み、 「完了」ボタンを1本指ダブルタップします。  キーボードの種類を変更するショートカットは、 Shift + スペース ______________________________________ ■■付録3 TalkBacke以外の視覚支援機能  TalkBackの音声読み上げの他にも視覚障害ユーザ向けアクセシビリティは用意されています。画面の拡大、文字サイズの調整、選択して読み上げなどです。  設定アプリを開いて、「ユーザー補助」の中でカスタマイズします。 ■ 拡大  画面を拡大する機能です。 拡大 - Android のユーザー補助機能 ヘルプ https://support.google.com/accessibility/android/answer/6006949?hl=ja  「拡大」の箇所を1本指ダブルタップしてみましょう。 ・拡大ショートカット 切り替えボタン ・ショートカットの設定 切り替えボタン ・拡大方法の切り替え 画面の全体/画面の一部/全体と一部  「拡大方法の切り替え」は三つの中から一つを選択します。画面の全体、または一部だけを拡大するのか、それとも全体と一部を適宜切り替えられるようにするのか。  「拡大ショートカット」の項目では、拡大機能を開始する方法を選択します。 ・ユーザー補助機能ボタンをタップ ・音量キーを長押し ・詳細設定  「詳細設定」を1本指ダブルタップすると、選択肢が三つになります。複数選ぶことができますが、「画面をトリプルタップ」をオンにしておくとジェスチャー操作で切り替えできるので都合がよいです。 また、「ユーザー補助機能ボタンをタップ」もオンにしておくと、画面の四隅に配置できます。「ユーザー補助機能メニュー」のアイコンを表示していれば、それに並んで独立したアイコンとして表示されます。  拡大機能をオンにするショートカットを選ぶと、「ショートカットの設定」は自動的にオンになります。 ■ 拡大関連のジェスチャー  拡大機能をオンにしている場合、次のジェスチャーが利用できます。 ●「1本指のトリプルタップ」 拡大のショートカットとしてこのジェスチャーを割り当てている必要があります。 拡大機能のオンとオフを切り替えます。 ●「ピンチアウト」 2本の指を画面にタッチして、指と指の間を広げます。 倍率を高くします。最大8倍ズーム。 ●「ピンチイン」 2本の指を画面にタッチして、指と指の間を狭くします。 倍率を低くします。 ●「2本指でドラッグ」 2本指を上下左右に滑らせます。 拡大したために表示されなくなった部分を見ることができます。  一時的に拡大したい場合は次のジェスチャーで操作します。おそらくTalkBackがオフの環境でないと機能しないと思われます。 ●「長押し」 画面にタッチしている間だけ拡大します。長押しするのはキーボードとナビゲーションバー以外の箇所。 ●「ドラッグ」 指をドラッグすることで表示部分を切り替えます。 ■ テキストと表示スタイル  すべてのアプリ画面で有効になるわけではありませんが、好みの文字サイズやコントラストに調整できます。「ユーザー補助」メニューの一つ、「テキストと表示」の中を覗いてみましょう。 ・フォントサイズ ・表示サイズ ・テキストを太字にする 切り替えボタン ・色補正 切り替えボタン ・色反転 切り替えボタン ・アニメーションを無効化 切り替えボタン ・マウスポインタを拡大 切り替えボタン ・高コントラストテキスト 切り替えボタン  フォントサイズ、表示サイズ、色補正、色反転についてはさらにメニューが表示されます。 ■ さらに輝度を下げる  画面が明るすぎて見えにくい場合、標準設定の明るさよりも暗くすることができます。「ユーザー補助」メニューの一つ「さらに輝度を下げる」の中を覗いてみましょう。 ・画面の輝度をさらに下げる 切り替えボタン ・輝度をパーセンテージで調整するスライダー ・デバイスの再起動後も維持する 切り替えボタン ・さらに輝度を下げるショートカット ■ ダークモード  画面の背景を暗くすることで見えやすくなります。「ユーザー補助」メニューの一つ「ダークモード」の中を覗いてみましょう。 ・ダークモードを使用 切り替えボタン ・スケジュール なし/指定した時間にオン/日の入りから日の出までオン ■ 選択して読み上げ  普段はTalkBackの読み上げを必要としなくても、音声読み上げさせたい箇所が現れたときに利用できる機能です。ドラッグした範囲を声で読み上げてくれます。「ユーザー補助」メニューの一つ「選択して読み上げ」の中を覗いてみましょう ・選択して読み上げショートカット 切り替えボタン ・ショートカットの設定 切り替えボタン ・設定 ______________________________________ ■■付録4 ユーザー補助機能メニュー  よく使う機能をすぐにメニュー表示させたいときに「ユーザー補助機能メニュー」というアイコンを表示できます。  設定アプリを開いて、「ユーザー補助」→「ユーザー補助機能メニュー」と進みます。 ・ユーザー補助機能メニュー ショートカット ・ショートカットの設定 切り替えボタン ・設定  「ショートカットの設定」のオン・オフ切り替えボタンをオンにします。問い合わせが表示されるので「許可」、次の画面で「OK」ボタンを1本指ダブルタップして完了です。  画面上には専用のアイコンが表示されて、TalkBackの操作フォーカスを合わせると、 「使用を開始する機能をタップ ユーザー補助機能メニュー」と読み上げます。デフォルトでは画面の右下端に表示されます。1本指の右スワイプか左スワイプでもこのアイコンには移動することができるので、アプリに用意されたアイコンと間違えてしまうかもしれません。  ショートカットの切り替えボタン以外の二つの項目についても紹介します。 ______________________________________ ■付録4-1 ユーザー補助機能メニュー ショートカット  この項目の中ではユーザー補助機能メニューを呼び出す方法について選択できます。 ・ユーザー補助機能メニューボタンをタップ ・音量キーを長押し  デフォルトでは「ユーザー補助機能メニューボタンをタップ」がオンになっています。もし「音量キーを長押し」をオンにすると、音量アップと音量ダウンの二つのキーの長押しでメニューを呼び出すことができるようになります。オンにできるのはどちらか一つ、あるいは二つともオンにできます。  TalkBackユーザーの場合は音量ボタン二つの同時長押しでTalkBackのオン・オフ切り替えを行なえるようにしておくのが都合がよいです。なので、ここでの「音量キーを長押し」はオフにしておくことをお勧めします。 ______________________________________ ■付録4-2 設定  ユーザー補助機能メニューを呼び出したときのメニューアイコンのサイズを切り替えることができます。 「大きいボタン」の切り替えボタンで行ないます。 ______________________________________ ■付録4-3 実際にメニューを表示させてみる  画面上のアイコンをタップしてメニューを表示させてみましょう。 TalkBackの操作フォーカスを合わせると「使用を開始する機能をタップ ユーザー補助機能メニュー」と読み上げます。1本指ダブルタップすると、画面の下部に次のメニューが表示されます。2ページに分かれて表示されますが、大きなサイズをオンにしてあると3ページに分かれます。 ・Google アシスタント ボタン ・ユーザー補助機能の設定 ボタン ・電源オプション ボタン ・音量を下げる ・音量を上げる ・最近使ったアプリ ボタン ・明るさを下げる ・明るさを挙げる ・ロック画面 ・クイック設定 ・通知 ・スクリーンショットを撮る  このメニューを閉じるには、画面の下端から2本指で上スワイプします。あるいは画面の下端から3本指で上スワイプします。もしくは画面の上部、ユーザー補助機能メニュー以外の項目に操作フォーカスを合わせてから何らかのアクションを行なうことでも、画面下部のメニューを閉じることができます。 ______________________________________ ■付録4-4 ユーザー補助機能メニューのアイコンの位置を変更する  デフォルトでは画面の右下端に位置しているアイコンを他の場所に移動させることができます。移動する手順は、 「使用を開始する機能をタップ ユーザー補助機能メニュー」と読み上げる箇所に操作フォーカスを合わせます。TalkBackメニューを開き、「操作」の箇所を1本指ダブルタップします。 ・左上に移動 ・右上に移動 ・左下に移動 ・右下に移動 ・端から移動して表示/端に移動して非表示  画面の四隅のどこかに表示させるようになっています。 ______________________________________ ■■付録5 日本語環境のAndroidスマートフォンを輝かせるドキュメントトーカ  Android OSが組み込まれたスマートフォンが登場したのは2008年のアメリカ、T-Mobile G1というモデルでした。日本で最初に発売されたのは2009年、ドコモからHTC HT-03A (Magic)というモデルです。アクセシビリティ機能の一つであるTalkBackは2011年にリリースされたAndroid 4.0から利用できるようになったようです。  スクリーンリーダーであるTalkBackの機能が組み込み可能になったとしても、日本語環境でAndroidスマートフォンを使うにはいくつかの課題がありました。テキスト読み上げ音声(TTS)は日本語向けには用意されておらず、また、日本語を入力するキーボードアプリ(IME)が使えないと日本語の文書作成ができないということです。  これらの課題を解決したのはクリエートシステム株式会社がリリースしているドキュメントトーカのシリーズアプリです。2012年6月には東京で発表イベントが開催され、全国から多くの視覚障害者が集まり、Androidスマートフォンに対する期待が膨らみました。  TTSは3種類リリースされています。ユーザが読み上げさせたいように単語を辞書登録できるので、間違えた読み方を避けられて、安心した日本語文書の読み上げを可能にしてくれます。 ドキュメントトーカ for Android https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.createsystem&hl=ja&gl=US ドキュメントトーカ たかし https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.createsystem.dtalkerttstakashi&hl=ja&gl=US ドキュメントトーカ けいこ https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.createsystem.dtalkerttskeiko&hl=ja&gl=US  IMEは操作しやすく工夫されています。 ドキュメントトーカ IME for Android http://www.createsystem.co.jp/DTalkerAndroidIME.html  さらには、Androidの文字情報を点字ディスプレイに出力したり、点字デバイスから文字入力するのにも使えるアプリを開発しておられます。Androidのユーザー補助機能としてBrailleBackという点字の入出力機能がGoogleから提供されていますが、残念ながら2022年2月現在、日本語には対応していません。 ドキュメントトーカ ブレイルバック デモ版 https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.createsystem.com.googlecode.eyesfree.brailleback.demo&hl=ja&gl=US ______________________________________ ■■ あとがき  気付くと身の回りにはタッチパネル操作の製品であふれていますが、それらは画面が見えていないと使いづらい存在です。電子レンジの操作パネルや居酒屋での注文システムなど、視覚障害者にとってはとても強固なバリアとなっています。  なんとかそれらの最新機器を使おうと穴を開けたシートをタッチパネルの上に置いたり、ボタンの位置にシールを貼りつけたりなどの工夫も試みられました。喜ばしいことに最近では銀行のATMや鉄道の券売機などテンキー操作と音声ガイドを利用して使えるものが増えてきています。しかし、それらは代替手段が用意されたのであって、あくまでもタッチパネルは縁遠い存在なのです。  もちろんスマートフォンもタッチパネルで操作するわけですから使えない製品の一つだと、私は思い込んでいました。しかし、本体に組み込まれているスクリーンリーダー、音声読み上げ機能をオンにすれば画面が見えていなくてもタッチパネルの上を触ることで使えるようになるではないですか!これまで山のように高かったハードルがかなり低くなった印象をあたえてくれました。タッチパネルに対する先入観をガラリと変えてくれたのです。  日本の視覚障害者の多くはAndroidスマートフォンよりもiPhoneを使用している割合が高いと言われています。その理由としては、スクリーンリーダーであるVoiceOverの操作性の良さ、アプリの豊富さ、学習するための情報取得のしやすさが考えられます。  TalkBackの操作性については、マルチフィンガー・ジェスチャーに対応したことで、かなり使い勝手はよくなりました。これはサムスン社がGalaxyシリーズに搭載していたスクリーンリーダー「Voice Assistant」のエッセンスを取り込んで、Google社と共同開発した結果です。  iOSには視覚障害者向けのアプリがたくさんリリースされていますが、開発者は同じアプリをAndroid版としてリリースするケースが増えてきています。  学習する手段や場所をいかに充実させていくのか、それはこれからの大きな課題です。  スマートフォンは今やライフラインの一つです。視覚障害者にとっては、それ以上に生活の質を工場させる存在になってきています。文字認識したものを読み上げさせたり、紙幣の種類を確認したり、ビデオ通話を通して目の前のものを見てもらえれば、立派な視覚支援ツールに早変わりします。また、聴覚障害者や外国人との会話を助けてくれたり、リモコン代わりに家電を操作すれば、コミュニケーションツールとしても活用できます。  ところで、一般的にアクセシビリティ機能はマイノリティの人たち向けの支援技術だと考えられているかもしれません。しかし、普段はアクセシビリティ機能を必要としない人たちでも使い方や場面によってはとても有効に活用できる機能ではないでしょうか?たとえば、ウェブページを制作している人たちには、そのページがスクリーンリーダーで読み上げされるものなのかどうか、その確認の手段としてもTalkBackは活用していただけるでしょう。  TalkBackを含めてAndroidアクセシビリティについて問い合わせたい場合は、メール、チャット、電話、Be My EyesアプリでGoogleのサポート窓口に連絡することができるようになっています。英語によるやり取りになると思われます。日本語で問い合わせても窓口側で翻訳してくれるでしょうから、質問などあれば送信してみるとよいでしょう。 Google Disability Support チームへのお問い合わせ https://support.google.com/accessibility/answer/7641084#disability-support  日本の視覚障害ユーザ向けにAndroidの情報交換をしているメーリングリストは、最新情報の取得や質問のやり取りをする最適の場となっています。 Android コーナー やまさんの森 https://yama3nomori.jp/android.html  これからもGoogleのアクセシビリティに対する取り組みが継続されることを願います。そして、他のメーカーにおいてもそのような姿勢が反映されていくことを心待ちにしています。  この説明書の中で変更した方がよいと思われる表現や内容などあれば執筆者にお気軽にご連絡ください。 この文章ファイルの著作権は製作者が有しますが、営利目的以外の利用についてはご自由にお使いください。 勉強会などの参考資料として役立てていただけると幸いです。 執筆者: 品川 博之 Email: voice-of-i@outlook.jp Twitter: @voice_of_i https://twitter.com/voice_of_i note: voice_of_i https://note.com/voice_of_i RSSフィード: https://note.com/voice_of_i/rss 製作完了日 2022年3月12日 ______________________________________